わたしは世界が美しいとは思いません
自分が正しいとも思いません
もしあなたがいま 共感をしてくれるのなら
もう少しだけ話を聞いてください
昔 子供のころ読んだ物語には
今日ほどつまらないものは何一つなくて
これほどまでに 無情で残酷なものも
決してなかったように憶えています
あのとき確かに 感じてた
高鳴って 続きを望む 心とか
この退屈な世界に 取り戻したくて
答えはきっと 自分のすぐそばで
たとえばいっそ首元あたりとか
方法なんていくらでもあるよ
あなたのその手が凶器になって
なんて話をしている間にも
オーディエンスは次第に少なくなって
目障りな陽が惨めに暮れかけていて
やっと自分の影だって気づいた
掠れた声と 街の時報
急かされて 譲った場所で物憂げな
弾き語りの少年が 希望を歌って
「未来はきっと 君の手の中で
たとえば何にだってなれるよ」と
だったらわたしは何者なんだろう
気づけばそんな弱音を吐いていた
北口 抜けて 向かう大通り
拡声器捨てて 声は裏返り
狂信的な 自分によりすがり
今日死んだっていいやって 思って生きてきた
誰か一人でも聞いてくれるなら
その一人があなただったらよかった
答えはきっと自分のその中で
たとえばいっそ首元あたりとか
方法なんていくらでもあるよ
あなたのその手が凶器になって
未来はずっとわたしから遠くで
届かないところでただ笑うだけだ
別れを告げた 過去はすぐそばで
気づけばナイフみたいに鋭利だ
- 作詞
宏川 露之
- 作曲
ein himinn
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ストリーミング / ダウンロード
- 1
世界構築のプロトコル
ユキニフル
- ⚫︎
スピーカーノート
ユキニフル
- 3
廃墟暮らし
ユキニフル
- 4
みらい
ユキニフル
- 5
一夜分の命に
ユキニフル
- 6
告白
ユキニフル
「─君がくれた言葉が 僕の中で生きて ようやく返す番だ」
少年少女はなぜ傷つくのか。なぜ泣いてしまうのか。なぜ生きていられなくなるのか。
その理由の、さらにその根源を、ある少年少女の姿から描いた、ユキニフル5th Novel Album後編。
物語は前編の10年後から始まる。施設での惨劇から生き延びてしまったソウヤは、虚しく無価値な日常を過ごしていた。そんなある日、 <スマイル・オン・フリーデッド>を名乗る団体が現れ、世界に向けてある宣言を発信する。その団体の代表と名乗る女性の姿には見覚えがあり──。
物語と連動する楽曲には、世界が形を変えていく瞬間を切り取った叙事詩『世界構築のプロトコル』、無責任な<生の肯定>に対するアンチテーゼを謳う『廃墟暮らし』、変わりきった未来で一人さまよう少女の運命を辿る『みらい』、物語の終わりに、少年が少女に想いを告げる『告白』など、全6曲を収録。
「どうか生きて」と告げられた、その先を描いた一作。
アーティスト情報
ユキニフル
物語と音楽をコンセプトにしたユニット。 冷たさや儚さで覆われた世界を「雪」に例え、そこに降り積もる"何か"をモチーフに名付けられたこのユニットは、故郷と居場所、後悔と喪失、それでも生き続けるということをテーマに独自の世界観を表現する。 小説とCDが同封される作品は、痛々しくも確かな手触りをもって描かれることで、フィクションであると同時に現実とも通底する圧倒的な詩世界を浮かび上がらせる。
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