或ル少年少女ノ「シ」 (Part "Words")のジャケット写真

歌詞

みらい

ユキニフル

新世紀は一人で迎えました

崩れたビルと割れた何かのディスプレイ

生きものは虫ばかり たまに聞こえる遠吠え

大きい声をうらやましいなと思うのです

中継地は学校、裏口から

汚れた床で眠る 苦手な早起き

すきま風 割れた窓 震えても夜は長く

寝返りさえも打てない場所で夢を見るんです

終電には乗り込むつもりだった

休戦日に世界が無くなるなんて

みらい こんな 私だけ泣いて

もう、ずっと寂しいままで

見慣れていた 景色 探しても

街並みは暗く、ただ暗く

みらい こんな 私だけがいて

もう、とても眠たいけれど

初めて見た 遠い灯火が

塞いだ目を開かせてくれた

救命器はおととい使い切った

潰れた喉で歌ういつかのゲームソング

飲み物は雨ばかり 自販機はどれも空で

広告ポスター 炭酸 昔は好きだった

トンネル前 廃バスが塞ぐ道

進んだ先にきっと 答えがあるから

あと一歩 あと一度 乗り越えて 擦りむいて

あと少しだけ 生きていたいと思うのです

一日ずつ 明かりを追いかけて

近づくから 願いも叶うといいな

みらい こんな 私だけ泣いて

もう、ずっと寂しいままで

抱えていく 荷物 軽くても

足跡は深く、ただ深く

みらい こんな 私だけがいて

もう、とても眠たいけれど

誰かがいま 生きて待つのなら

見つけて会いに行けますように

たどり着いた目的地には 機械式の点滅灯

全自動 人の手も借りず 淡々と瞬いて

高汚染レベルの警告 それだけのための光

心のどこかで気づいてた 諦めたって見ないふり

生きる意味なんてなかった

それなのに失くした気がした

また見つけるのは簡単だ

それなのにどこにもないのは

みらい こんな 私だけ泣いて

もう、ずっと寂しいままで

明日はどこ 向かうあてもなく

塞いだ目は 世界さえ閉じて

みらい こんな 私だけがいて

もう、とても眠たいけれど

「誰かが また 起こしてくれたら」

なんて夢はもう見れないかな

みらい こんな 私だけ一人

もう、生きていないみたいだね

それなら いま 流した涙は

目を覚ますまで 乾かないように

  • 作詞

    宏川 露之

  • 作曲

    ein himinn

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「─君がくれた言葉が 僕の中で生きて ようやく返す番だ」
少年少女はなぜ傷つくのか。なぜ泣いてしまうのか。なぜ生きていられなくなるのか。
その理由の、さらにその根源を、ある少年少女の姿から描いた、ユキニフル5th Novel Album後編。

物語は前編の10年後から始まる。施設での惨劇から生き延びてしまったソウヤは、虚しく無価値な日常を過ごしていた。そんなある日、 <スマイル・オン・フリーデッド>を名乗る団体が現れ、世界に向けてある宣言を発信する。その団体の代表と名乗る女性の姿には見覚えがあり──。

物語と連動する楽曲には、世界が形を変えていく瞬間を切り取った叙事詩『世界構築のプロトコル』、無責任な<生の肯定>に対するアンチテーゼを謳う『廃墟暮らし』、変わりきった未来で一人さまよう少女の運命を辿る『みらい』、物語の終わりに、少年が少女に想いを告げる『告白』など、全6曲を収録。
「どうか生きて」と告げられた、その先を描いた一作。

アーティスト情報

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