或ル少年少女ノ「シ」 (Part "Words")のジャケット写真

歌詞

一夜分の命に

ユキニフル

交差点 渡りきれずに信号が変わって

動けないまま座り込んでしまった

そんなふうにまるで救いようのない

ほころびだらけの人生だった

過ぎ去った日々の中に少しでも

意味があったと言える瞬間を探して

繋ぎ合わせてみてもできあがるのは

語る価値もない フィクションだけだ

嘆いたり 投げ出したりばかりで

何も分からない 何も変わらない 何もかもいらない

そう口にするたびに なんとなく痛む胸に 吸い込んだ息を送って

ただ この命を薄めて生きてきた

いつ失くしてしまってもいいように

気づけば 私の手から吹き飛んでしまうほど軽く

曇る空に紛れ込んでしまうほど淡く

でも、君と過ごした短い季節を

思い出す夜だけは 抱きしめたまま

咲いたはずの桜が 長雨の最後に 散り積もっていく 一夜分の命に

壊れかけてた傘が 私の代わりに 濡れそぼっていく 一夜分の命に

君と私に 降り続く雨が やがて死にゆく二人のために

たった一夜の命のために 泣いてくれているみたいだ

ずっと嘘をつくのが嫌いだった

本当のことを話すのはもっと苦手なのに

どこにも行けないような気がした

どこにも居場所なんてないのに

生きる意味なんて何もなかった

それなのに失くしてしまった気がした

どうせ簡単に終わる命のはずだったのに

私を見つけたのが君でよかった

  • 作詞

    宏川 露之

  • 作曲

    ein himinn

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「─君がくれた言葉が 僕の中で生きて ようやく返す番だ」
少年少女はなぜ傷つくのか。なぜ泣いてしまうのか。なぜ生きていられなくなるのか。
その理由の、さらにその根源を、ある少年少女の姿から描いた、ユキニフル5th Novel Album後編。

物語は前編の10年後から始まる。施設での惨劇から生き延びてしまったソウヤは、虚しく無価値な日常を過ごしていた。そんなある日、 <スマイル・オン・フリーデッド>を名乗る団体が現れ、世界に向けてある宣言を発信する。その団体の代表と名乗る女性の姿には見覚えがあり──。

物語と連動する楽曲には、世界が形を変えていく瞬間を切り取った叙事詩『世界構築のプロトコル』、無責任な<生の肯定>に対するアンチテーゼを謳う『廃墟暮らし』、変わりきった未来で一人さまよう少女の運命を辿る『みらい』、物語の終わりに、少年が少女に想いを告げる『告白』など、全6曲を収録。
「どうか生きて」と告げられた、その先を描いた一作。

アーティスト情報

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