

誰もいない朝焼けの街
息をひそめて歩いている
言葉ひとつ交わさずに
今日がまた始まってしまう
「正しさ」なんて誰が決めた?
答えはどこにもなくて
まともじゃないって笑われて
まともぶるのに疲れ果てた
行き場のない感情たちを
ポケットの奥に押し込んで
「大丈夫」な顔だけ貼って
僕はまた歩き出す
これは冒険なんかじゃない
そんなふうに胸が叫んだ
逃げ場なんて最初から
どこにもなかったくせに
希望なんて知らないまま
夢を見ては目を覚まして
誰かの幸せ越しに
自分の不幸を測ってた
声をあげれば壊れそうで
黙っているしかなくて
気づけば感情の全てを
無理やり錆びつかせていた
笑うことに慣れてしまい
泣くことすら忘れていた
心の奥の叫びさえも
都合よく塗り替えて
「平気だよ」って言いながら
本当は限界だったんだ
置き去りにした自分を
ずっと抱えたまま
これは冒険なんかじゃない
ただ逃げるしかなかった
選ぶ余裕も理由もなくて
背を向けるしかなかった
拾い集めた嘘だけを
頼りにして走っていた
“本当”なんて言葉はもう
信じられるわけがなかった
息を切らして誤魔化してた
この道がもし冒険なら
誰に誇れなくてもいい
僕は僕を連れていく
格好悪くてもいいから
せめてこの足で
進む理由を誰にも
奪わせたくなかった
道標のないこの地図は
選択肢ばかりで進めない
分岐点に立ち尽くして
また誰かの顔を浮かべた
「どっちが正しいか」じゃなくて
「どっちならまだ耐えられるか」
そんな基準ばかり選んで
生きてきた気がする
「普通になりたかっただけ」
本当はただそれだけで
誰かに認めてほしくて
でも誰にも言えなくて
優しさすらも毒みたいで
触れれば消えてしまいそうだ
僕はずっと自分の声を
聞かないふりをしてきた
こんなはずじゃなかったって
何度も心を殴ってる
声にならない叫びだけが
喉の奥で渦巻いてる
誰かになりたかったくせに
なれない自分が怖くて
鏡の中の目を見れずに
正しさばかり睨んでいた
壊したくても壊せなくて
守るものも見当たらない
嘘と沈黙の間で
息することが罪みたいで
それでもなぜか今日もまた
この足は止まってはくれない
滑稽なほどに脆いまま
生きる方へ歩いていく
誰かに救われたくて
その誰かも見つけられず
期待しては裏切られて
何も信じられなくなった
差し出されたその手さえも
信用できなくて
独りが楽だと思ってた
本当はずっと怖かった
他人を遠ざけるたびに
心が擦り減っていく
自分を守る方法が
一番自分を傷つけて
気づけば敵だけの世界に
たった一人でいた
それでも生きてた
ただそれだけが事実だった
これは冒険なんかじゃない
自分との戦争だった
逃げ場のない心の奥で
何度も僕は崩れかけた
誰にも見せられない傷を
鎧にして進んできた
倒れそうな身体ごと
意地だけで抱えてきた
無様でも構わないと
叫びながら歩いてた
それでも止まらなかったんだ
それが僕の強さだった
この不器用な旅こそが
僕のすべてだった
名もなき敗者のままでも
ずっと生きてた証だった
誰にも見えない地図の上で
何度も道を失くして
進むたびに失うものが
心を削っていった
それでも止まる理由さえ
見つけられなかっただけ
それでも止まりたくなかった
ただ、それだけ
もし生きることが
終わりなき旅だったとしても
迷いながらでも進めるなら
それはもう冒険だろう
光がない夜を超えて
自分だけの夜明け探した
逃げるように歩いた日々が
僕の冒険だった
- 作詞者
結環ゆん
- 作曲者
結環ゆん
- プロデューサー
結環ゆん
- ボーカル
夢ノ結唱 ROSE

結環ゆん の“生存逃走 (feat. 夢ノ結唱 ROSE)”を
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生存逃走 (feat. 夢ノ結唱 ROSE)
結環ゆん



