遠くの声に浮き出るような
居場所で淡々とこなしていく。
他愛のない語り話、諦めてしまった。
揃いの席に滲み出るような
微細な温度に作り笑う。
紛いじゃない私の笑みは夢の中の特権。
誰かの呼吸を妨げぬように、息を潜めるように。
いつかの嘘が本当になったら
忘れられるのかなって、
7月のカレンダー、予定はぎっしり詰まっている。
記憶が薄まるように、生活に気を逸らしている。
夏祭りの張り紙。遊具で戯れる子供たち。
ふとしたときにそれは来る。
また夕涼みに攫われてしまう。
私、あなたの背を見てる。
つめたい温度寄せて、横に居て欲しい。
言葉足らずな余白。私の避暑地。
願ったってもう戻れない。
いつからか私たちは取り繕い、
そして重荷にしてしまって、
抽斗の奥に積もる紙束、嘘に塗れている。
あなたが去ってからの日々、
なみだ流すほどかなしくはないけど、
傷一つつかない暴力にも、
切り裂くような慟哭にも、
耐えられなくなった。
耐えられなくなってしまった。
街外れの公園、嗚咽する女性の声がする。
その声が自分の声であるような錯覚をした。
筆跡の違う手紙。最後の報せ。
遊具に揺られるあなたの影。
もう駄目だ。
私、あなたの目を見てる。
つめたい指が触れて、それがあたたかい。
言葉足らずな余白。私の避暑地。
願ったまま、もう一度。
涼しい風が吹いて、
溢れるように笑い合って。
私、私、私、ね?
言いたいこといっぱいあるの。
苦しい夜が明けて、
二人で痛み、溶かし合ってさ
「嘘つきはお互い様だね」と
一つずつ答え合わせしてこ?
あの夏が薄れるその日までは
夕涼みを想うの。
- 作詞
sidore
- 作曲
sidore
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また夕涼みに攫われてしまう (feat. メト)
sidore
アーティスト情報
sidore
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メト