

談していると泣きたくなるの
かなしい日々を思い出せなくなってしまいそうで
言葉にしなきゃ伝わらないよなんて
言えなかったから僕も同じくらい悪いと思うの
やさしいセロのような声で聞こえる「銀河ステーション」
すてきな齣も思い出せなくなってしまいそうなほど
何気なくちがった言葉で
なにかに似ている気持ちをそっと談し合いたいの
貧しかった生活にも
照れ屋さんな性格にも
夏の夜の長きで
ねえカムパネルラ
あの日なんて言えばよかったかと無意味な推敲を重ねているの
十字星ゆき銀河鉄道ねえ夢の中で
あのころより泣いていないかい天気輪の柱の下
理想的な経路に乗れず仕舞ってしまった想いだとか
幻想四次の大星雲みるには遅すぎたかな
あなたの愛するもの全部愛してあげられない
どれだけあなたと似ていたって一つにはなれないんだよ
いつまでも覚えていないけど思い出せるようでありたいから
さよならまではねえどうか
分かろうとしていたいんだよ
纏った服が濡れていたあなた
不思議なことを宇宙みたいだと形容していた
今夜こうして二人で居られるなんて
思わなかったから蠍みたいに顔が熱っていた
眩しかった希望的観測
知ってしまった絶望的原則
すべて僕のせいにして
ねえカムパネルラ
あの日なにも出来なかった後悔が夜空にとけ出していくよ
シグナス発銀河鉄道ねえうその中で
我を忘れてながめていたリンドウの花の青さ
栄光に向って走る列車だと信じておきたいから
星祭りの間くらいはどこまでもはなれないでいて
するとどこかで、ふしぎな声が、
銀河ステーション、銀河ステーションと言う声がしたと思うと、
いきなり眼の前が、ぱっと明るくなって、
まるで億万の蛍烏賊の火を一ぺんに化石させて、そらじゅうに沈めたというぐあい、
またダイアモンド会社で、ねだんがやすくならないために、
わざと穫れないふりをして、かくしておいた金剛石を、
誰かがいきなりひっくりかえして、ばらまいたというふうに、
眼の前がさあっと明るくなって、
僕は、思わず何べんも眼をこすってしまいました。
ねえカムパネルラ
あなたがそばにいないことを僕は死ぬまでかなしくいたいの
星屑の舞う中最後に談せてよかった
そういえば言っていなかったことで溢れているけど
死者たちを乗せて走る列車から望んだ景色は
幻想四次の流星雨みたんだきれいすぎたんだ
十字星ゆき銀河鉄道あこがれの中で
新世界交響楽をいまだやめずに鳴らしているんだよ
立ち直れなくていいただ想い出せるようでありたいから
さよならを迎えた今日は
車窓から君に手を振った
あのころより泣いていたんだよ
- 作詞者
戸塚大響
- 作曲者
戸塚大響
- ミキシングエンジニア
戸塚大響
- マスタリングエンジニア
戸塚大響
- ギター
黒澤志龍
- ボーカル
黒澤志龍, 戸塚大響
- ソングライター
宮沢賢治
- アンサンブル
戸塚大響

杏享クテコ の“銀河ステーション”を
音楽配信サービスで聴く
ストリーミング / ダウンロード