Nostalgiaのジャケット写真

歌詞

Nostalgia

MAMEFUTATSU

バスから降り立った

風が吹いてる

月は朧

然れば街も艶めく

あの子の跡

追いかけて来たんだっけ

半世紀前を語る

路地を抜けてゆけ

知らなかった感覚

迸る

骨身に染みる

君と僕のこと

誰も知らないこの街で

  • 作詞者

    toru tanaka

  • 作曲者

    MAMEFUTATSU

  • プロデューサー

    toru tanaka

  • レコーディングエンジニア

    toru tanaka

  • ミキシングエンジニア

    toru tanaka

  • マスタリングエンジニア

    toru tanaka

  • グラフィックデザイン

    Arisa

  • ギター

    MAMEFUTATSU

  • キーボード

    MAMEFUTATSU

  • シンセサイザー

    MAMEFUTATSU

  • ボーカル

    MAMEFUTATSU

  • バックグラウンドボーカル

    MAMEFUTATSU

Nostalgiaのジャケット写真

MAMEFUTATSU の“Nostalgia”を

音楽配信サービスで聴く

ストリーミング / ダウンロード

  • ⚫︎

    Nostalgia

    MAMEFUTATSU

2024年5月上旬、台湾最南端の街「恒春(ヘンチュン)」へフィールドレコーディング(野外録音)の旅に出掛けた。
この小さな街を訪れてみたい思ったのは、漠然とパソコンで地図を眺めていた際に偶然見つけたその街の名前がハッとするほど美しかったことと、19世紀後半に築造された古い城壁に囲まれて街が存在するという特異性に惹かれたからだ。
2023年夏の終わり頃、ベトナム中部の古都ホイアンで一週間思いのまま歩き回って録音した音を基に作品を制作し、前アルバムに収録した。
今回はフィールドレコーディングに少しだけ規則性を持たせ、街を囲む城壁に設置された門(東西南北とその中間地点の8箇所)及びそれらを線で結んだ際に中心となる市場を加えた計9箇所にマイクを立てて録音を行った。録音の際には各地点で小さなハンドベルを鳴らして場所の変化に対峙する共通項を持たせると同時に、定点観測的に音で街を囲みその輪郭を浮かび上がらせてみようという企みもありながら。
照りつける日差しの中でジッと耐えながら収録した音を日本へ持ち帰り、時計回りに街を逡巡したのち中心地点の公設市場でエンディングとなるよう音データを配置した。それをベースに恒春の風、匂い、熱気、街並みや出逢った人々を思い返しながら楽器や声を重ねていった。
実際に出来上がった作品は、当初のアカデミックな思惑に(自ら)反して、至ってポップな仕上がりとなった。
小さい頃から郷愁という感情に親しんできた。小さい頃から親しむというのもおかしいが(郷愁は振り返る時間を蓄えた者が往々にして持つ感情だから)、ある情景や物事を通して自分の生きてきた時間とそれ以前の時の流れに想いを馳せ、二度とは戻らない移ろいの儚さを慈しんでいたいというような気持ち。
この街をぼんやりと歩きながら、そこで営まれている人々の暮らしを垣間見ていると、あぁもう元に戻ることの出来ない遠い所へ来てしまったんだな、という心持ちがしてくる。矢張りそれは地理的というよりも時間的な事象として。それと同時に薄暗い路地裏や家々の小窓から注がれる柔らかな慰謝が、海を渡って来た暖かい風と共に肌に染み入ってくるのだ。
あの街には、いつの間にか僕が失くしてしまったノスタルジアが、確かにあった。

アーティスト情報

MUGENLIFE MUSIC RECORDS

"