8月32日のジャケット写真

歌詞

8月32日

西霧

図書室の窓に忘れた入道雲

名も知らぬ君を彩る吹奏楽

今日と明日との区別もない

ふたりを成したものは

ひとつの嘘

ぼやけ出す季節 乾く空の匂いと

窓掛けの間を世界と呼んでみたり

「型に嵌るように変えてゆく心に私はあるの?」

呟きは空を切った

言葉じゃきっと 外側なぞって安く終わってしまうんだ

ならばいっそ名前なんて捨てよう

淡く笑った 互い違いになって夏を描き足した

そうやって日々を揺らそう

微睡みと懐古で出来上がった夏模様

揺蕩うふたりは古びた映画のよう

あの日借りた本読み切れば

世界は終わってしまうんだろう

神様のように見えた

想いはそっと 器と共に朽ちて消えてゆくんだ

後になって骨と灰が呪う

「今だけ」なんて甘い望みで憂鬱を吸って吐いて

そうやって日々を広げた

今日が終わってゆく

夏が終わってゆく

大人になってゆく傷みの中

許されぬ恐怖を虚飾で塗り替え

ありふれた逃避を大袈裟に騙る

眴せ返して見据えた

二度と交わらない消失点の先

そっと季節を綴じてゆく

図書室の窓を過ぎゆく金木犀

名も知らぬ君と描いた夏を抱いて歩く

  • 作詞

    西霧志季

  • 作曲

    西霧志季

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    8月32日

    西霧

アーティスト情報

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