

乱れた吐息と足音を 夜の空へ散らしながら
行き場のないこの熱ごと 僕はただ夜を駆けていく
毎朝同じ7時4分 寸分狂わず滑り込む電車
決まった位置で吊り革を掴み 静かに心を消していく
すり減った革靴の底 角の丸くなった手帳
凪のような毎日で ただ浮かんでいた
弾けるような笑顔の君を見た時から
画面に浮かぶ通知ひとつで 小さな波紋が広がるように
僕の世界が揺れていく どこかに置いてきたはずの青さが
今さら胸の奥で騒ぎ出して溢れ出すんだ
緩めたネクタイをポケットに押し込んで アスファルトを蹴り出していく
湿ったシャツが背中に張りつき 夜風だけが妙に冷たい
今さら柄にもなく 何やってるんだろうって呟きながら
ビル群の隙間 見上げた空に
街灯の光が滲んで伸びていく
君の姿を探してしまう自分に 呆れながら
目が合うだけで跳ねる心と ふとした瞬間のよそよそしさ
近づけたと思えば また遠くなる微妙な距離感に
一人で勝手に 振り回されている
縮まらない歩幅の違いに 信号待ちで立ちすくむ
傷つかない道ばかり探してきた僕の前に
君が残した足跡が 眩しく続いている
見えない君に手を伸ばし 僕は夜をかける
点滅する赤信号をやり過ごして 重い革靴を鳴らしていく
喉を焼く呼吸の荒さと 脈を打つ手首の熱さ
君へ向かうためだけじゃない 行き場のないこの気持ちまで
アスファルトに叩きつけるように 僕は夜を走っていく
終電の改札を通り抜けて
言い訳の言葉をひとつずつ捨てていく
理由なんてどこにもない
君を好きになった それだけで
ほどけた靴紐を結び直して
また僕は夜を走っていく
乱れた吐息と足音を 夜の空へ散らしながら
行き場のないこの熱ごと 僕はただ夜を駆けていく
青と呼ぶには似合わない
それでもまだ冷めきれなくて
偽物の青だって
この気持ちに偽りはない
決まりきった明日に戻る前に
答えのないこの足を止めずに
僕は走り続ける
この偽の青を 抱えたまま
- 作詞者
岩井 孝志
- 作曲者
岩井 孝志
- プロデューサー
WaFu
- グラフィックデザイン
WaFu
- プログラミング
WaFu

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Fake Blue
WaFu
毎朝同じ時間の電車に乗り、同じ場所で吊り革を握る。
そんな変わらない日常に現れたひとりの存在が、置き忘れていたはずの感情をもう一度動かしていく。
「Fake Blue」は、大人になってから始まった不器用な恋と、抑えきれない衝動を描いた楽曲です。
近づいたと思えばまた遠ざかる距離に振り回されながら、それでも夜の街を走り続ける。青春と呼ぶには少し遅すぎる“偽物の青”の中にある、本物の気持ちを歌っています。



