Lyric
part-time SAMURAI
hocho knife cutters, Nurse Robot_Type t
サムライの甲冑を着てティッシュ配りをする、
ニヒル真昼。
兜の中で戯れる汗と、サビのにおいが立ち込める鎧。
からからになってぼやけていく街並。
ティッシュいかがですか
回れ右する通行人
甲冑が重い
羞恥心が軋みながら
瞼の裏を燃やそうとしている
根性はついに煮詰まって、
啖呵を切ろうと私はマネキンになる。
このまま歴史の砂の手にさらわれて、
平々凡々な足軽になりたい。
ふと、なんだ? 百鬼夜行がはじまった
空を夜のような何かが掠める。
巨人の親指のような頭の老人が、
高層ビルを食い潰していく。
あまりにも唐突すぎて、
私はマネキンのまま動けなかった。
視線の先の、
小さなケーキ屋さんの前で、
小さな子供が一人泣いている。
それは私だった。
よろめきながら、もつれる足を、
あてもなく地に溶かしていた。
アンハッピバースデイ トゥーユー
アンハッピバースデイ トゥーユー
親指の妖怪が歌い始める。
小さい私は少し笑って、
私の甲冑の隙間を、ハイカラな風が吹き抜けた。
小さな愛でもうれしかったんだ。
かくれんぼが好きだった私にとって、
ひとひらのまなざしでもうれしかったんだ。
ティッシュを受け取らずに、ただそこを歩いているだけでも。
お楽しみがいつもそこにあると思っていた。
溜息すらも甘い香りがして、丸見えの嘘にワクワクしていた。
ねじれるメリーゴーラウンドと、ノイズまみれのオーケストラに、
命を賭けながら笑っていたんだ。
今日はもう上がっていいよ
回れ右をする私
甲冑はない
息を吹き返した私が笑いながら
私の心を燃やそうとしている
なんて足の遅い夕陽だろう
これじゃあいつまで経っても、夜は来ないな
- Lyricist
HammingEgg
- Composer
hocho knife cutters
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hocho knife cutters, Nurse Robot_Type t
This is a funky, slightly rap-like poetry reading by nurse_robot_type t.
Artist Profile
hocho knife cutters
ボカロPです。
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