

星の降り出したターミナル
夜風に座ってバスを待つ
僕を追い越して時計は
廻る廻る廻る
頭の向こうにもう一人
明日の幻想が呼んでいる
鳴り止まない夏の匂いがした
風を切り裂いて飛んで行く
未来行きのバスが夜を跨ぐ
眠れない僕は窓辺に
揺れる揺れる揺れる
微睡一つ、
左手に開けた東京の灰の色
麗しい鎧を纏っていた
ああ、
思い出すのは朝焼けの色だ
さよならだけを知ったこの街を
歩いてる
窓に揺れた面影を
今も遠く憶うなら
舞台に立てる幸せが
僕らには分かっていた?
写真を捲って宵掛かり
過去行きのバスが扉を開ける
擦れ違うように季節は
巡る巡る巡る
瞳の向こうに透過する
枯れた生活の哀の色
新しい夜明けも来ないままで
ああ、
繰り返す日の静けさの中で
さよならだけを知ったあの夏を
歌うだけ
辿り着いたこの場所に
欠けた夢を描いては
僕に触れた朝焼けを
何度でも願っていた
歌詞だけが思い出を
嫌に浄く繋いでく
音に変わる憧れの
温度さえ知らぬまま
通り抜けた朝焼けは
今を酷く照らすけど
名残り夢を擱く時間だ
今日の日のさよなら
水を飲み干して、正午過ぎ
木陰に座ってバスを待つ
鳴り止まない夏の匂いがした
- 作詞者
水谷駿
- 作曲者
水谷駿
- プロデューサー
水谷駿
- ボーカル
水谷駿

水谷駿 の“遡行”を
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遡行
水谷駿
眩しかった東京へ。