全員が目を瞑ったその瞬間に聳え立った
アンテナを大空に擦りそうな塔が
なんかの大予言とタイミングが合致するみたいで
監査と中継用のヘリが飛んだ
某国の実験とか
某社の広告だとか
某星の侵略とか
某団の仕掛けだとか
高名らしい学者が
出した見解を
別の高名らしい人が
マルマル学で否定した
唐突にぼくらの云日間に
入り込んだアウトローも
段々と受容されて今や社会現象
最先端文化の発祥に人だかりが出来て
観光資源になって誰かが富んだ
また祈りの矛先で
また写真のトレンドで
また子どもの憧れで
また季節の写し絵で
語りかけても届かず
黙って目を閉じている
雨風に曝されながら
佇むアーキテクチャ
冗談半分で広まって
定着した名称
独特な世界観の曲に準えて
テッ塔と呼んだ
広大な陸に立った
とっても高い高いタワー
愛・憂い・不満も恐怖心も
象徴として仕舞い続けて
網膜に貼り付いたビビットカラーは
古馴染みの友との待ち合わせ場になり
下ろされた特別の札
日常に結わって薄れた
喧噪と情動と末端に咲いた花
静けさに魅入られた旅人が
永遠の不変を願っても
今日も雲は流れていく
風景に溶け込んだ
何より高い高いタワー
さんざほっぽった懸念事項が
日常になだれ込み始めた
苔や砂を被ったその体は
仏よりも大きく誰の手にも余る
風で骨組みが軋んで
避雷針が腐って
落ちてきた断簡零墨で
住宅に開いた穴
煙たさは広がって
世界が遠ざかって
気付けば仮初 朽ちていくハリボテ
[放送]
ラポシパ メソロ
カラフォ ウェコモミパソ
ペノセボ ダウォケロポレゴ
トモパルベコ フォラメポユビショ
ウジョモペゾ キュロウェコラソノ
マセロプレソゾモ
ラシコルピショレソ
夢想のようなタワーは感情未満で成り立った
大嫌いだった自分自身を金属の外殻で包んで
虚誕を吐き出すように影を伸ばして
ちっぽけなカケラから生まれた鉄の塊
全部ぜんぶ撒き散らして知った
幾層に重なった呼び声と似たメロディ
いっぱいになった歌
決して光ってもいなくて派手な装飾もない
僕らのありのまま
崩れていくタワー
スコシメヲアワセテ
- 作詞
読谷あかね
- 作曲
読谷あかね
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テッ塔
読谷あかね
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読谷あかね
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