

雨の東京 人影の消えた街
廃ビルの二階に居を構えて
光らないネオン 窓際の花
冬は続いている
雨の東京 誰かの赤い傘を
我が物の顔して差し歩いていた
足元の亡骸 踏まないように
知らない君を抱き寄せる
ここで僕と暮らさないか
心臓の音色が二つ響く
ここで僕と暮らさないか
人の命の匂いがする
恋人や友達がいたことも
今はもう意味を成さないから
ただ冷える体を庇うように
知らない君を抱き寄せる
ここで僕と暮らさないか
心臓の音色が二つ響く
ここで僕と暮らさないか
また雨の気配
ミントのタブレット
口移しのフレイバー
扇情的な舌触りで
ここで僕と暮らさないか
心臓の音色が二つ響く
ここで僕と暮らさないか
雨の東京 死ぬまで
ここで僕と暮らさないか
心臓の音色が二つ響く
ここで僕と暮らさないか
雨の東京
ああ
- 作詞者
篠山浩生
- 作曲者
篠山浩生
- レコーディングエンジニア
篠山浩生
- ミキシングエンジニア
篠山浩生
- マスタリングエンジニア
篠山浩生
- グラフィックデザイン
知世
- ギター
篠山浩生
- ボーカル
篠山浩生

篠山浩生 の“雨の東京”を
音楽配信サービスで聴く
ストリーミング / ダウンロード
東京が静かに終わったあと、それでも生き延びてしまった誰かたちの小さな邂逅を描いた、ポストアポカリプス弾き語り作品集。
・人影の消えた廃墟の街に響く二人の心臓の音
・傘の下で交差する記憶と亡霊
・崩れゆく高架と、かつての中央線
・偽物の春に滲む「本物」の温もり
本作では、4編の物語(=4曲)を通じて、世界の終わりに現れた愛の姿を描いています。
ノイズのように降り続ける雨の中で、それでも人が人を求めるということ。
失われたものを抱きしめるように、そっと語りかけるように歌われる4つの風景。
弾き語りという最小構成で最大限の情景を引き出した作品。
