歌詞

助手席で

静かに座る

名前はまだ

聞かないまま

エンジンの低音が

夜を引き延ばす

行き先より

今の速度

連れてきたのは

偶然じゃない

選んだ時点で

役割は決まる

優しい顔で

何も言わず

どこから

味わうかを考える

急がない

逃がさない

信号は

全部守る

今夜は

火を強めに

焦がさず

中まで熱く

触れ方ひとつで

変わるから

順番だけは

間違えない

ハンドルを切るたび

距離が縮む

視線の温度が

上がっていく

一夜限り

それでいい

だからこそ

丁寧に

柔らかいところから

確かめて

最後まで

残さない

愛情じゃない

作業でもない

楽しむための

手順

止まったら

始まるだけ

終わりは

まだ遠い

夜は続く

車は走る

私の中で

献立が決まる