Lyric

見上げた雨空に広がる群青が

涙を誤魔化した僕を嘲笑う

そこに佇むのは喪失が残した

過去と水溜まり

別れと共に風が窓を叩く

落ちた涙は雨と共に乾いて

水面に写るいつかの二人が

歪んで壊れて静かに溶ける

ガラスを滑る雨粒は光を濁らせて

二人の再会をかき消してゆく

糸は宙に舞って憂鬱が僕に絡まる

地に落ちた途端に優しさも無価値に変わる

記憶の片鱗が情景に染み付いて

見慣れた街並みを思い出に変える

喪失の瞬間がまたここで蘇る

最後の言葉が鳴り響いた

桜の花は春の雨に散った

過ぎ行く季節と共に

二人の記憶を春風に乗せて

空虚に変わる二人の日々は

置き去りの傘と僕だけを残して

ゆっくりと白む視界の中で

薄れゆく記憶を傍観していた

無情に散る花と悲しみを数え続けてる

貴方と過ごした季節に終わりを告げる

いつからか幸せを恐れていた

面影や肌を伝う涼しさも

失うものばかりが愛しく思えて

目を逸らしても気付けば過去に執着していた

季節は巡りまた辿り着くだろう

後ろ髪を引いたあの頃の僕と

二人の帰路を染めた桜を

踏んで歩いた決別を込めて