Lyric

次々とあらゆる場所へ発火する奇想は

煤けた狭量な安全を圧倒して

平積みされた共通感覚を飲み込んでいく

希望的観測を一つ一つ潰していく圧覚は

ガラス越しに他人と目が合った時の

あの居心地の悪さとよく似ている

幾多の果てしない末梢

螺旋に印刷した記憶の落丁

連続性からの解放は

不死の病を患うことに他ならない

明日は昨日で機能は不全

”新品のモラルは念のため、煮沸してから使用すること。”

なにこれ映画の撮影？

言うや否や八つに裂かれる大学生

悲鳴を合図に鳴るカチンコ

狂気が正気の異常な日常

火蓋は切られたようだ

徹底管理された良識の操作

画面一杯のマティスエクストラボールド

300数えたら先に行け

組み上げてきた回路を

隅々まで神経質に漂白されて

アイを失くした僕じゃ嘘を見破れないけど

君を追って時を渡っていく

ゆたにたゆたに移り変わり

予測通り凍結されたストーリー

動けば歪むし停まれば淀む

止まない雨に病むように

積めない積み木に詰むように

意識だけが墜落していくストーリー

組み上げていく度にまた

隅々まで神経質に組み換えられて

アイを確かめたら嘘へと変わってしまう

囲った書割が崩れる

千切れた世界を結び留めて

忘れられた願いを繋ぎ合わせて

Ｉを失くした僕じゃ嘘を見破れないけど

守るよ あの日の本当の君を

廻る時を渡って