Lyric

外の子らの声に

起こされて

足元に移動した

枕を元に戻したら

寝癖を撫でながら

眼鏡を探して

さっき見ていた夢を

思い出そうとしてみる

昨日は遠いな

自分の匂いで

消えてしまうほどに

本当に遠いな

目を擦ればより一層

霞んでゆくものなのだ

鏡の前に

立てば頬には

ベッドシーツの跡

今日はいいか

笑ってみる

靴下の片方が

無くなってる

誰のせいだろう

昨日の残りの

パンだけど

まだ味には

飽きていないな

鳴るやかんから

出る湯気を

面白くもないのに

ずっと見つめてる

今日は遠いな

自分の声を忘れてしまうほどに

本当に遠いな

顔を洗えばより一層

だらけてゆくものなのだ

掛け違えた

ボタンに気付いてしまえば

昨日の自分を

笑ってみる

いつもの所の歯ブラシが

無くなってる

誰のせいだろう

昨日と

今日の間に居るみたい

微睡の中に行く前の

あくびには陽がさして

静かな部屋にただ一人

外の子らはもういない