Specified Shonen A Front Cover

Lyric

Shirajirashiyo (feat. sabi)

Hanakami Ryu

私はゆっくりと風蝕されていく。

私の感情が朽ちていく音が響いて、それは例えば陳腐なエレクトロニカのように、模倣の模倣を繰り返し、遂には溶けていきました。

流す涙もとうに無く、私は諦めに支配されています。

二十度の勾配と錆びついた欄干が嫌いで、私達は全てが漂白された箱庭の中に囚われているのです。

白々しく笑う君にも、軋む鎖の歌が聞こえますか?

偽りの町から剥ぎとったコンテクストの下は、新雪のように白々しく、悲しそうに頭を振ったあの子の羽根は、この町のように錆付いていました。

プラスチックのような人、プラスチックのような海。

私はゆっくりと風蝕されていく。

坂道を狂ったように笑いながら転がる二つの星屑が羨ましくて、金属バットを振り下ろしました。

冷凍された暮らしの中、ゆっくりと終わっていく赤い空は何も語らず、冷たい鉄の風が私を削って行き、だから轟音の壁に頭を叩きつける日々のリフレインです。

私はゆっくりと風蝕されていく。

眠り続けるプロキオンの頭を撫でつけていたあの子は、展望台から落ちていきました。

白い花を添えましょう。

それでも私はこの錆びついた街を愛しているのだから。

献花台を背に箱庭に帰りましょう。

感情を運ぶ偽りの川は、今日も流れ続けています。

箱の中で一人、埋まっている。

枯れた街で一人、泣いている。

坂の上で一人、錆びていく。

そんな日々をただ、眺めている。

人の海は今日も、凪いでいる。

灰の空は今日も、変わらない。

展望台の落書きが、消えていく。

私はゆっくりと風蝕されていく。

プラスチックのような人、プラスチックのような海。

白々しいよ。全部。

  • Lyricist

    sabi

  • Composer

    Hanakami Ryu

  • Assistant Engineer

    Iwatobi

Specified Shonen A Front Cover

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    Shirajirashiyo (feat. sabi)

    Hanakami Ryu

「繰り返すグリッド、シュリンクする現実。
窮屈なこの世界で、私たちは痛みを確かめる。」

北海道札幌市在住のプロデューサー、ハナカミリユウによる「この場所」で痛みを確かめるための7曲。

客演にはUhp1QVQ、〜離、sabiが参加。

Artist Profile

  • Hanakami Ryu

    2000年生。北海道札幌市在住のプロデューサー/DJ 2015年よりDJとしてキャリアをスタート。エレクトロニカやIDMをバックボーンに持つ独特な選曲で評価を得る。 物語性の高い長編DJMIXシリーズ『AQUARIUS』『HEAVEN』の発表や、SFを基調とした世界観の主催イベント「ネストノミコン」等、DJとしての表現の可能性を日々様々な形で模索している。 またプロデューサーとして楽曲制作も行なっており、静的な電子音楽を基調とした、北国出身らしい冷涼なサウンドを特徴としている。作編曲・作詞を1人で行なったボカロEP『SOREKARA』のリリースや、IOSYS、commune310等のコンピレーションアルバムへの参加、アーティストへのRemix提供等、日夜精力的に活動している。

    Artist page


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