

天井はやわらかい
しずかな大地
ここから離れたら
光がぼくの羽を溶かす
0.002びょうごとに
世界の切れはしが回り
音だけが
ぼくの形を返してくる
光のいる方は
胸の骨が静かに熱くなる
きみの動きが
下から滲んで崩れて見える
昼の匂いがくると
ぼくの皮が少し剥がれる
声のない声が
上から白く落ちてくる
音をたよりに
空気をなぞる
光の下は
毒のもとだと知っている
ぼくは昼を見ないために
目を捨てた
光に触れたら僕の正体は解かれる
闇の中でだけ
世界は正しく残る
光の世界は
ぼくの形をほどく
きみが振るその光は
ぼくの皮の下でわずかに匂う
白い影が
遅く動いてひびを作る
天井の大地を
爪でそっと確かめる
離れたらすぐ
胸の裏側が壊れる
きみの足音は
遅すぎて死んだ水みたい
そのぬるさが
ぼくの羽ばたきを鈍らせる
光の中で
ぼくの羽は薄く軋む
ひと筋でも
触れればすぐに崩れる
闇の方へ
音がぼくを呼び戻す
そこだけが
ぼくを道に戻す
ぼくは昼を見ないために
目を捨てた
光に触れたら
ぼくの正体は解かれる
夜だけが
ぼくの声を戻す
昼の世界は
ぼくの命を奪う
音が届かないとき
世界は小さくひび割れる
“見えない”ことが
ぼくを守ってきた
でも、きみの光が
ぼくの羽の中で
静かに白く濁る
ぼくは昼を見ないために
目を捨てた
それがぼくの生き残る
ただひとつの理由
闇こそがぼくの大地で
光こそがぼくを静かに殺す
天井の上で
世界が逆さまのまま
ぼくはまだ
生きている
- 作詞者
なると金時
- 作曲者
なると金時
- プロデューサー
なると金時
- プログラミング
なると金時

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ぼくはめをすてた
なると金時
光が毒となり、闇だけが大地になる世界で音だけを頼りに生きる“逆さまの命”の物語。
アーティスト情報
なると金時
なると金時 青春パンクの衝動とLo-fiサウンドの静かな熱を融合。 “ふざけながら本気で生きる”をテーマに、日常の怒りや寂しさ、そして笑いを、ノイズと余白で描き出す。
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