Lyric

シャボン玉の中に

タバコの煙吹いた

アスファルトの堅い路地を

這うように飛んで落ちた

割れたタマの中から　煙の塊が出て

思い出したかのように

現れて消えた

縁側に腰かけた

叔父さんのセッターの薫り

神風になれなかった

飛行機乗りの薫り

勝利なんかなかった

始めからなかった

死にきれなかった　弾けて飛んだ

下駄を宙に蹴って　明日の天気予報

砂利道の古い路地を

弧を描いて落ちた

下駄は横向きに落ちて

危ういバランスとって

思い出したかのように

裏向きになった

万年布団から起きた

従兄さんのヤカンの口飲み

赤い旗印やぶれた

ラブアンドピース

ロックなんかなかった

どこにもなかった

変わらなかったんだ　弾けて飛んだ

万札を振りかざしても

タクシーは止まらずに

都会の汚れた路地を

ロックナンバー通る

街は狂おしいほどに

酔いしれて踊り続けて

いつまでもこんな日々が

続くと思ってた

光が眩しくて

思わず手放した風船

あの空は現代では

向かい風を運ぶのか

バブルなんかなかった

始めからなかった

幻だったんだ　弾けて飛んだ

ロックなんかなかった

どこにもなかった

シャボン玉だったんだ

弾けて飛んだ

どんなに萎んでも

あの風船が

割れない空でありますように