すみれ詩手帖のジャケット写真

歌詞

たんぽぽ

黒色すみれ

あかき血はたんぽぽの

黄なる蕾を染めてゆく、

君がかなしき傷口に

春のにほひも吸はれゆく・・・・・

飛ぶことを諦めた

夢見る綿毛のやうに

空を映して 君十九歳

何も答へず行ってしまった

あかき血はたんぽぽの

ゆめの逕(こみち)にしたたるや、

君がかなしき釣臺(つりだい)は

ひとり入日にゆられゆく・・・・・

あかき血はたんぽぽの

黄なる蕾を染めてゆく、

君がかなしき傷口に

春のにほひも吸はれゆく・・・・・

何をあてに生きるか判らず

さりとて君の後も追えず

時だけ過ぎてまた春がくるたび

思ひ出す この夕日の色に

白く優しい雨に

僕はゆっくり濡れてゆく

そのかなしみも 途絶えた夢も

全て受け止めよう

この魂(こころ)に

あかき血はたんぽぽに

けふの入日も吸い込まれ

絶えて聲なき身体から

かげも、靈(たましい)も運ばれて

あかき血はたんぽぽの

ゆめの逕(こみち)にしたたるや、

君と並びし帰り路に

今日も入日は消えてゆく

  • 作詞

    北原白秋

  • 作曲

    佐藤由佳

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テーマは「大正ロマン」!
収録曲14曲中7曲に起用した大正浪漫文学の巨匠・北原白秋の詩が、黒色すみれの歌、ヴァイオリン、アコーディオンと融合してノスタルジックな旋律を奏でています。
日本語の美しさ、繊細かつ力強い歌声が心の奥深くまで沁みわたる作品。
アルバムの核となる楽曲「たんぽぽ」では、斎藤ネコ氏が編曲を担当。
素晴らしいオーケストレーションを聴かせてくれます。

アーティスト情報

Kokusyoku Sumire

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