Lyric

その朝

いつもより早く起きて

まだ少し寒い朝を歩いて

蝉たちは控えめに鳴いてた

ぼくもまた少しだけ泣いた

「僕が居なくなると君は死ぬだろ」

って当たり前かのように放っては

寂しそうに放つ君の「またね」を

返せない僕は今日も

切りきれなかった頸動脈と

空を仰いでは君を想う

「今の幸せの話」じゃなくて

僕は「いつか訪れる最良の日」を

君が夢見、語る そんな日を望んで

望んでいた

晴れの日は少しだけ

笑えるようで

雨の日はふたりで寄り添うみたいに

増えてく思い出や

映画のワンシーンを

紡いで分かり合えた気になってた

ふたりの時間は夢を見ているようで

離れる時は二度と会えないようで

寂しさと放つ「またね」は

夢の終わりを告げる

傷跡は消えない

それでも生きる僕らは

過去より先より、今を

見つめるべきだったんだ

それに気付かないフリをして

また夢を見て

ただ居場所を見つけた

愛すべき日々

無い物ねだりを続けて

終わりゆく日々の中

「永遠」を欲しがった

ぼくらの命は確かにここにある

ただ、切りきれなかった罪悪と

変わりゆく空に

憧れ、俯く世界は

続いてくけど

それでも

「さよなら」は言わない

あなたの温度を

忘れないでいたい

傷跡が消えても

同じように続く空

変わってく色を

忘れないよう焼き付けてた

どんな色も声も街も

遺していけるような日を願う

夢の中、息をする