

春のあとに
残るものを
まだうまく
捨てられずにいた
駅前の花壇はもう色を変えて
知らない季節の匂いがしていた
薄手の上着を鞄にしまうたび
少し前の僕だけが取り残された
並木道に残った花びらは
誰にも踏まれず端へ寄っていた
それを見つけてしまうくらいには
まだ君のことを忘れていなかった
終わった季節は
何も言わずに遠くなる
それでも胸のどこかで
遅れて風が吹いている
春のあとに残るものは
君といた日々の全部じゃない
ふと黙った横顔や
歩幅を合わせた午後のこと
戻りたいわけじゃない
消したいわけでもない
過ぎた季節の端っこで
僕は少し変わっていた
新しい予定を書き込む手帳に
去年のページが少し挟まっていた
破るほどではない思い出ばかり
いちばん長く残ってしまう
午後の店先に並んだ果物が
光を受けて静かに揺れていた
君が好きだった甘い匂いだけ
理由もなく胸に近づいてきた
春のあとに残るものは
君の声そのものじゃない
言いかけてやめた一言や
待ち合わせ前の静けさで
悲しいだけじゃない
きれいなだけでもない
終わった季節のぬくもりを
僕はまだ持っている
春のあとに
残るものは
君じゃなくて
君といた僕だった
- 作詞者
GREYLINE
- 作曲者
GREYLINE
- プロデューサー
GREYLINE
- ボーカル
GREYLINE

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春のあとに残るもの
GREYLINE
アーティスト情報
GREYLINE
GRΛYLINEは、3人組の男性バンド。 顔や個人像を前面に出さず、音楽と“状態”だけを提示するプロジェクトとして活動している。 作品ごとに声の距離や温度が変わるのが特徴で、 それはキャラクターの変化ではなく、 感情やフェーズによって声の位置が変わるという考え方に基づいている。 内省的な夜を描いた『言えなかったままで』、 日常を肯定する『Clear Days』、 そして身体が先に動く『MOVE FIRST』。 GRΛYLINEは、 考え、立ち止まり、動き出す?? そのすべてを同じ時間軸の中で鳴らし続けている。 姿はシルエットのまま、 音だけが前に進む。
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