

爪の先まで揃えられた靴
「愛しているから」と笑う声
スマートフォンの画面が灯るたび
胸の奥で小さなガラスが割れる
位置を示す青い点(ドット)が
私の背中に張り付いている
指一本触れられていないのに
息の仕方を忘れていく
あなたは私の空を包み込み
優しさという名の籠(かご)を編む
部屋の隅 赤く光るレンズが
私の影をじっと削り取っていく
愛という言葉の裏側に隠した
鋭い針を まだ握りしめたままで
別れを告げた その瞬間
優しい顔が別人に変わった
鳴り止まないスマートフォン
一日百件を超える着信
足音を消して近づく気配
ドアの向こうで揺れる視線
逃げ出すための地図を開いても
目的地はどこにも映らない
どれだけ離れても届く波長
私を映す鏡が多すぎる
言葉の刃で縫い付けられた
この世界から逃げられないまま
あなたは私の明日を塗りつぶし
守るためだと微笑んでいる
愛という言葉を繰り返しながら
私の帰る場所まで壊していく
「どこにいるの」「誰といるの」
優しさに化けた声が追いかける
あの日 帰る場所だった灯りが
あなたの影の向こうで消えた
何を失ったのかさえ
誰にも言えないまま
私はずっと 息を殺していた
もう私に執着しないで
コードを抜いて 灯りを消す
見えない糸を切り落とすように
奪われた名前を取り戻して
暗闇のなか ドアノブに手をかける
もうあなたに怯えない
もうあなたの影を生きない
静寂の中に残る かすかな微熱
消えた灯りを胸に抱いたまま
もう誰の瞳のなかにも生きない
私が
私に帰るために
- 作詞者
夜依 -yorui-
- 作曲者
夜依 -yorui-
- プロデューサー
夜依 -yorui-
- ボーカル
夜依 -yorui-

夜依 -yorui- の“透過した部屋”を
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透過した部屋
夜依 -yorui-
『透過した部屋』は、「愛」や「優しさ」という言葉の裏側で、少しずつ自由を奪われていく恐怖と、そこから抜け出す決意を描いたシネマティック・ダークエレクトロ。
冷たい電子音、時計の音、激しく駆け抜けるドラムンベース、重低音とストリングスが、逃げ場を探す主人公の緊張と焦燥を映し出す。
見えない糸を断ち切り、奪われた自分自身を取り戻すまでを描いた、暗闇から再生へ向かう一曲。
アーティスト情報
夜依 -yorui-
夜の感情を音に変えるアーティスト『夜依-yorui-』。 儚さと狂気の狭間で揺れる心を、ダークポップサウンドに乗せて描く。 あなたの眠れない夜に寄り添う音楽を。
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Yorui Records



