Lyric

…このスマホなるものは、毎月ワタクシから何かを奪っていく。

それはお金、未来の食費、そして、カエルとしての尊厳。

この小さな画面の中に、ワタクシの存在意義があるのだろうか。

ああ、この水たまりの底に

課金履歴は沈んでるのか

それともただのデータなのか

その数字はいつも滲んでて

ワタクシは読めないフリをする

溜まってゆく数字は

黒い宇宙のように膨張して

やがてワタクシは星になるのか

…ワタクシが欲しかったのは

光を放つヒーローか

あるいは、画面の向こうの

見せかけの絆だったか

この小さな画面の中だけでも

ワタクシは誰かに必要とされたい

…オタマジャクシのままだったら?

指がなけりゃ課金せずに済んだのか？

無限スクロールの果てに

その答えは見つかるのか

…この光は

魂を照らしているのか

それとも「残高不足」の予兆か

太陽はなぜ毎日、頭上を通過するのだろう

ワタクシはただ、このベンチに座っているだけ

やべぇ、また課金してまったわ

やめられない、止まらない

やべぇ、また課金してまったわ

誰か、この指を止めてくれ…