

その日、母はネオンテトラになって泳いでいった。
紅茶にミルクを落としたみたいな空の色。
もうすぐ夜が来る街の向こうへと、母はネオンテトラになって泳いでいった。
せかいは決定的に変わってしまったようでいて、ぼくは変わらずにここにいる。
街が立てる寝息を聞きながら、ぼくだけが変わらずにそのときを待つのだ。
乳白色の夕暮れが数えきれないほど通り過ぎていった、
窓の向こうで夕陽が腐り落ちても、ぼくは一向に朽ちることはない。
永遠の空腹が絶望のすべてを食い荒らして、ガラスの向こうは空っぽに沈んでいた。
音を立てて砕けた透明が林檎みたいに艶めいて、映した僕の顔は空っぽに沈んでいた。
口に含んだそれが舌を傷つけて、それはそれは透明な、それはなんて冷たい味だ。
砕けた 甘く溶けた
ぼくは欠けた 血にまみれた透明
嚙んでた 鈍く差した
月が光ってた ガラスを叩き割って
砕けた 甘く溶けた
ぼくは欠けた 愛みたいながらくた
噛んでた 鈍く刺した
腹の中で 今も声を震わしている
ガラスの向こうの街は透明だ、透明な静けさが乳白色の夜を満たして、
もうこの部屋の外には誰もいなんじゃないかって、空っぽの頭で考えている。
熱を出して学校を休んだ日が永遠に続いているみたいだな、みんなみんな同じなのかもしれない。
白い煙が空を覆ったあの日から、みんなみんな生活を休止している。
ぼくは腐らないのに食べるものは減っていくなんて、そんな馬鹿なことがあってたまるかよ!
飲み込んだガラスは腹の中に溜まって、破裂して砕けてそれでおしまいになってしまうのかもね。
永遠なんてどこにもないさ、いや、この一日が永遠になるんだ。
ぼくは永遠に来ないときを待ち続けて、透明な幽霊になってうたうんだ!
欠片のひとつひとつが忘れた夢みたいだ、
それはそれは透明な、それはそれは冷たい味で、
どうしてか懐かしく思えるんだ、
それはそれは透明な、それはそれは冷たい、
幽霊にだって味覚はあるんだろうか、
それはそれは透明な、それはそれは冷たい味で、
いつかぼくが透明になるそのときにも、
それはそれは透明で、それはそれは冷たく、
砕けた 甘く溶けた
ぼくは欠けた 血にまみれた透明
嚙んでた 鈍く差した
月が光ってた ガラスを叩き割って
砕けた 甘く溶けた
ぼくは欠けた 愛みたいながらくた
噛んでた 鈍く刺した
腹の中で 今も声を震わして
叫んでた 意味を忘れた
ぼくは欠けた 血をそこに落として
光ってた 赤く染めた
月が落ちた ぼくはそれを壊して
嘆いてた とうに解けた
ぼくがかけた 呪いは食い飽きた
崩れた 像は割れた
鏡を捨て 今部屋を出ていくんだ
- Lyricist
Koyoi
- Composer
CLAM AND MIRAGE
- Mixing Engineer
KYOTOU-O
- Mastering Engineer
yoshiki kagurazaka
- Guitar
KYOTOU-O, yoshiki kagurazaka
- Bass Guitar
MiNT
- Drums
634
- Vocals
Koyoi

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White Haze
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- 2
Mockument
CLAM AND MIRAGE
- ⚫︎
Glass Apple
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- 4
Crap Crunk Cinderella
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- 5
Piece of Memory
CLAM AND MIRAGE
Artist Profile
CLAM AND MIRAGE
Weaving a story with a roaring sound. Started activities in 2022.
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