

黒い海に一粒の角砂糖を落とす
ぽちゃんと音を立てた白は
ゆっくりゆっくり
角が落ちていって
そのまま黒の中に消える
黒い海に一粒の石ころを落とす
トプンと音を立てたそれは
今も形を変えることなく
そのまま海の中に残ってる
黒い海に一粒の言葉を落とす
それでしかなかった音はやがて
波になって
また
私を襲う
美しい言葉に
囲まれていたい
美しい言葉に
酔いしれていたい
せめて
美しい景色を
あなたに見せたい
美しい心を
汚さず生きたい
真っ白なままでは
なぜかいられない
だけど
真っ白なままだけが
美しい
気がしてしまう
黒だって他にだって
美しい色があって
何回も
何回も
目の当たりにしてきたのに
白でいたい
白でいたい
白でいたい
白でいたい
白でいたい
白でいたい
白でいたい
願わくば
善良な人間でありたい
嫌いになったあの子も
ほんとうは愛したい
ごめんねなんて
まやかし
なしで話しましょう
なんて
言えるわけもなく
まして
歌ったりもしない
黒い海に一粒の涙を溶かす
音もなく消えたそれは
手がかりさえなくなって
ただただその水面に
知った顔を映した
何でもない午後だった
何でもない午後だった
黒い海に溺れた日の
忘れられぬ夢だった
白い雪に一粒の角砂糖を隠した
白い雪に一粒の角砂糖を隠した
春になればいくらかは
わかる日が来るかもしれない
春になればいくらかは
わかる日が来るかもしれない
春になればの当たり前は
いつの日か来ないかもしれない
春になればの当たり前は
いつの日か来ないかもしれない
夏がこのまま終わらなくなって
好きだった花もわからなくなって
アスファルトの上
じゅうじゅう焼かれて
真っ白なんかは夢のまた夢で
人工的なものになるのかも?
健康的でいたい
健康的でいたい
二十代の暮れでさえも思う
体は私
私が体
まだまだ続く人間生活
与えられた肉体の全てを愛したい
老いたくないわけではない
老いたくないわけではない
責任はあまり負いたくないけど
ただ健やかに歳を重ねたい
後ろめたさなく美しく
美しく生きていたい
どんな人にも優しくしたい
誰にでも親切な人でありたい
できるだけたくさんの人を愛したい
みんなみんな愛していたい
愛していたい
愛したい
(黒い海が渦を巻いた)
茶色くなった水溜りには
石ころが転がっていて
直感的にこれは
あの好きだった花を咲かせる種だと
そう思った
- 作詞者
eritanimoto
- 作曲者
eritanimoto
- マスタリングエンジニア
beja
- ドラム
赤瀬楓雅
- ボーカル
eritanimoto
- ピアノ
beja
- パーカッション
赤瀬楓雅

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ことのはひらひら (from poetry drawing live “ ring -凛- ”)
eritanimoto
2025年9月14日に代官山「晴れたら空に豆まいて」で開催された「eritanimoto × 近藤康平 poetry drawing live “ ring -凛- ”」より、セットリスト中のポエトリーリディングを全て収録したアルバム。当ライブのために書き下ろした3篇とライブドローイング先行で紡いだ即興詩1篇を含む、全6篇の詩片録。
アーティスト情報
eritanimoto
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