

詩を綴る
ただ
そのことに
深く依存する
弱さではない
わたしを
ここへ引き戻す
唯一の重力
一行、また一行
息を切り
意味を切り
消えかけた今日を
紙へ縫う
時計は進む
正しく進む
けれど
わたしの時間は
切れず
消えず
水の中で
重なっている
十年前の雨が
いま
この指を
濡らしている
言葉がなければ
わたしはどこにもいられない
ここにも
そこにも
昨日にも
明日にも
言葉がなければ
わたしはどこにもいられない
だから書く
ただ
ここにいるために
午前二時
秒針だけが
正しい音を刻む
水のないコップ
その底で
昨日が泳いでいる
一行書くと、影が消えた
二行書くと、声が消えた
三行目で、誰の記憶かわからなくなった
それでも、四行目を書く
消えるから記す
記すから消える
記憶
軌跡
遠い駅の
汽笛
聞き違い、生き違い
時間だけが
まだ続いている
忘れないために
書いたはずなのに
いま憶えているのは
書いた言葉だけ
あの日が
この詩を生んだのか
この詩が
あの日を作ったのか
もう
区別がつかない
水面の月へ
手を伸ばす
触れるたび
形は崩れる
それでも
光と呼ぶ
言葉がなければ
わたしはどこにもいられない
名前の中にも
身体の中にも
言葉がなければ
わたしはどこにもいられない
書いて
離れて
消して
残して
わたしは何度も
世界から落ちる
一行を書くたび
また惹かれていく
それは
弱さではない
才能でも
救いでもない
わたしが
まだここにいるための
唯一の重力
最後の一行で
名前が消えた
誰が書いたのか
もうわからない
それでも紙には
文字が浮かぶ
言葉がなければ
わたしはどこにもいられない
だから
言葉になった
- Lyricist
Lyric Loom Hanora
- Composer
Lyric Loom Hanora
- Producer
Lyric Loom Hanora
- Graphic Design
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- Vocals
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- Programming
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