

渋谷の改札 深夜十時半
ロッカーの並ぶ 通路の薄暗さ
同僚の結婚 帰れない夜
部屋の静けさより 駅の風
百円玉を握る 預けない手
鍵を回す 扉を開けてみる
中は空 灯りも荷物もない
内側の鉄が 冷たく光る
鍵を回す 硬貨の音はまだ
誰の合図でもない 自分の音
扉を閉める また開けて空
預けないのに 動作を繰り返す
隣のロッカー 鍵が回る音
紙袋を取り出す 肩に掛けて
その振付が 私と同じ
引き取れるものを 今夜は持たない
大和の家 母が湯のみを置く
洗わずに ただ向きを変える朝
湯のみの縁を 指が一度なぞる
私も今夜 箱の中で同じ
鍵を回す 硬貨は入れないまま
誰の合図でもない 締めの音
扉を閉める 鍵は抜かないまま
預ける動作を 完結させない
ロッカーの前 硬貨はポケットへ
鍵は抜かず 扉を後ろに
階段を上がる ホームの風へ
百円玉だけ ポケットで鳴る
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

Akemi の“空白のコインロッカー”を
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空白のコインロッカー
Akemi
「空白のコインロッカー」は、同僚の結婚式の夜、部屋に帰る前の駅で、預ける動作だけをなぞる一夜を描いたミディアムテンポのシティポップ。
渋谷の改札の深夜十時半、薄暗い通路に並ぶスチール製のロッカー、握りしめたまま預けない百円玉、開けて閉めてまた開ける空の箱、そして隣のロッカーから紙袋を取り出していく誰かの振付――出会い以前の女が、預けず引き取らず動作だけを繰り返す静かな夜の心象風景を映し出す。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、結婚という到着点を遠くに眺めながら、何も預けず何も持ち帰らないことを自分の手で選ぶ大人の孤独。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、都会の夜、駅の通路、無名の他人とのすれ違いを描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
硬貨を入れず鍵も抜かないまま、預ける動作だけを未完で残して階段を上がる、その夜の選び方。
百円玉だけポケットで鳴らしながら、出会い以前の自分のままホームの風に向かっていく――そんな静かな孤独の佇まいを描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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