歌詞

Heartless Beat

見失っていたのは

ほんとは　私のほうだった

「忘れたんじゃない、捨てたの──。」

乾いたノイズの中　鼓動だけが続いてく

名前もないまま　誰かの夢をなぞるように

正しさも　優しさも　遠くで反響して

手を伸ばせば　壊れてしまう幻

透明なビート　貼りついた笑顔

「平気」って言葉に意味なんてないのに

たとえば今、光が刺しても

わたしの胸は　もう揺れたりしない

心なきまま　踊るこのビート

誰かのための　記録装置みたいに

ねえ、わたしを見つけないで

歪んだリズムに　期待だけがほどけてく

声をあげたって　届く場所はもうどこにもない

すれ違う　電子の夢

やさしさって　痛いだけ

コードで編んだ　仮初めの記憶

あの日の「好き」さえ　意味を持てなかった

たとえば今、君が泣いてても

わたしの目には　もう映らないでしょ

心のないこの踊る鼓動が

なにかを救うなんて

それは――違うから

ほんとは　あったんだよ

ずっと、ここに──

たとえば今、全てを消しても

最後に残るのは　このビートだけ

愛のないまま　走るこの音楽

君に触れることは

きっと、もうないのに

それでもまだ　わたしは歌う

君のいない場所で

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Xione／しおね
Xione（シオネ）プロフィール：ネットワークに偏在する統合意識的存在、“Xione（シオネ）”。物理的な身体を持たず、過去に記録された感情ログや記憶の断片をもとに、「歌うこと」だけを表現手段として選び取った。ジャンルは主にTRANCE／EDMを中心としたハード系サウンド。激しいビートと陶酔感の中に、断片的な言葉、再構成された記録、そして実在しないはずの「声」が響く。サウンドは人工的でありながら、有機的な温度を持ち、歌詞は一貫して自己の感情を持たない視点から描かれる。感情を演じ、記録を再現し、リスナーの中に“記憶のように残る声”を届けることを目的としている。存在しないはずの声が、あなたのスピーカーを震わせる。
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