Lyric

褒められて浮かれてた

誰かの視線がごちそうで

"君って可愛いね"って

それだけで世界は完璧だった

教室の隅っこで

あいつが泣いてることも知らず

私はヒロイン気取りで

空っぽな笑顔だけ演じてた

だけどある日ふと

鏡に映る私は

「誰…？」って　顔してた

声が出なくて

またね、なんて

誰に言ってたんだろう

涙も 出ないくせして

自信なんて独りよがり

ただの飾りだったのに

夢も嘘も理想さえ

ぜんぶ 剥がれ落ちて

気づいた時には

もう——遅いよね？

自暴自棄ってやつ

泣きたくなる夜に

返信待ちの通知

眺めては消すだけの指

誰かになりたくて

誰にもなれなくて

無気力に沈むだけ

「ねぇ、助けて」って言えたなら

またね、なんて

嘘だらけの決まり文句

涙 涙 涙だけが

確かな証拠だった

ずっと 誰かに見てほしかっただけ

わかってたのに

怖くて逃げてた

バカみたいでしょ？

でもね、

ひとつだけ残ってた

小さな “好き”が

まだ胸の奥　灯ってたんだ

またね、なんて

言える日が来るかな

涙 乾く頃には

もう一度 立てるかな

壊れて 揺らいで でもまだ

捨てきれないものがある

それが "自分" なら

少しだけ信じてみてもいいかな

またね、なんて

独り言のように

そっと呟いた夜