

その夜彼はインクの渇きを
少しだけ気にしすぎた
国道沿いの海辺のホテル
ナイトスタンドの明かりを消して
テーブルの上のペンを
そっと倒せば海風が頬をつく
フロントに出てみたけれど
落ち着かなくてテレフォンコールユー
受話器の向こうの彼女口もきいてはくれないそぶり
彼は何度もかけたとだけ告げた
まるで映画の後のノイズのように白く冷たい
シナリオライター二人はリハーサル抜きの
少しほろ苦い恋を演じた
言葉に頼らずに心で愛した
つもりでも伝わらない
必要なのは身近な愛だね
国道横切って渚に出てみた
足跡を思い出の日々にたとえて振り返りながら
潮風・彼女の笑顔・寄せては返す波はサイレントムービー
昨日までの肌のぬくもり・船の汽笛・彼女のしぐさ
彼は記憶を海の渦にまかせた
まるでフィルムの抜けたリールのように空回りした
シナリオライターふけゆく秋のラストシーン
ペンより早く彼は演じた
- 作詞者
根岸 昌紀
- 作曲者
根岸 昌紀
- プロデューサー
根岸 昌紀
- ベースギター
根岸 昌紀
- キーボード
根岸 昌紀
- ボーカル
根岸 昌紀
- バックグラウンドボーカル
根岸 昌紀

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シナリオライター
根岸 昌紀
ずいぶん若いころ、ドラマや映画の脚本家の人たちは、様々な筋書きを先まで読めるから、恋愛や結婚生活もさぞかし無難にこなしているのだろうと思っていました。ただ、そうじゃない人もいるかも?と想像していたらこんな歌ができました。
アーティスト情報
根岸 昌紀
10代の頃、洋楽、邦楽いろんなアーティストにあこがれ、真似事でバンド活動開始。合奏の楽しさを知り、ライブ三昧の日々。しかし大人になって仕事や生活に追われ長い間楽器から遠ざかっていました。大病を患った後、好きなことをやろうとふらっと寄った楽器店。そこにあった宅録機材の進化に衝撃を受け、昔の自作曲やあこがれたサウンドにのせた歌を作って録音を楽しんでいました。CDにして仲間に配っていましたが、昨年5月,tunecore JAPANより「銀色の翼」で配信審開始しました。
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