FLAVIA゜のジャケット写真

歌詞

Coral Swan (feat. ID & 三月)

bb cream ljk

人を殺すゲームで朝を迎えて

寝直しても

トマトに水をやる時間には目が覚めて

枯れた葉脈

見えなかった傷が光る

現実の輪郭に

うすく水が回る

触れないまま

机の上の果実は熟れていく

きっと退屈が終わると

思っただけ、

雲の隙間に光を見たように

見えない波が

アパートの壁や人の身体を

静かに通過していく

僕はそれを

昔のラジオみたいな気持ちで受信している

街のあらゆるものは

少しずつ痕跡になる

コンビニの照明、

交差点の信号、

誰かの歩幅

雪のように、

クラウドに積もる

たぶん

僕たちの空白すら

ひそかな点になる

もし未来に考古学者がいたら

彼らは古いSSDを掘り出して

「これは2020年代の寂しさのフォーマットだ」

と言うのかもしれない

夜中、

スマートフォンの画面を見ていると

自分の顔がガラスの向こうに浮かぶ

それは僕の顔というより

“表示されている僕”

僕はどこにログインしているんだろう

街は静かに更新され続ける

昨日の地図は

もう今日の地図じゃない

それでも人間は

同じ交差点で

同じように立ち止まり

空気の折り目に足を置く

たぶん文明というのは

孤独のバージョン管理なんだと思う

僕たちは

Ver.2026の寂しさを

まだ知らない

きみが泣いた夜のことを

ぼくはまだ知らない

でもその涙は

すでにここにあって

乾いたあとだけが

遅れて届いている

歴史の外縁に立っている

触れると壊れるくらいの

薄い現在を

指先で確かめながら

「失われたものはどこへ行くの?」

その問いに対して

世界は何も答えないけど

光だけが

わずかに屈折して

まだ消えていないことを

知らせてくる

誰かが失ったものの上に

新しい日付を重ねていく

わたしたちの物語?

少女は笑う

「わからないままでいることって

少しだけ自由だね」

その言葉は

未来から借りてきたみたいに

軽い

透過する感情は

どこまでも遠くへ行けるから

だから走ろう

逆らって

擦り切れるくらいに

鼓動は過去へ

呼吸は未来へ

そのあいだで

ぼくらは存在している

もしもこの先で

すべてが追いついてしまったら

そのときはきっと

ぼくらはもう

泣かなくていい

それまでは

逆走しよう

時代の流れを切り裂いて

  • 作詞者

    bb cream ljk

  • 作曲者

    bb cream ljk

  • ミキシングエンジニア

    Seigo Saito

  • マスタリングエンジニア

    Seigo Saito

  • ボーカル

    ID, 三月

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