Lyric

嬉しいね 嬉しいはずだよ ねえ

優しく蒔いた あたたかさが

微かな笑み 赦し 芽吹いてく 出てく

ずっと待ち焦がれていた

あと少しだけ

摘み重ねた 静けさと激情の均衡

両手で包んで 壊さず崩さずにそっと

じれったく歩む季節 まだ瞳の中だけで煌めく

禍いの兆しなど 気がつくこともなく

もがく蔓 ああどうか 叶うように

ただ絡みつく 曖昧な不安 どこかへ

わずかな癒しを こぼさぬように

雨を愛そう 雨を愛そう

無邪気な嘴に さらわれる前に

彼方で透ける理想へと向かう泥路を駆け抜けて

朝を愛そう 陽を愛そう

葉を綻ばせ 咲かせたい本懐

大切な色彩を 大切に守りぬく

その尊さを踏みこえて

嬉しいね 嬉しいはずだよ ねえ

優しく蒔いた あたたかさが

微かな欲 洩らし 溶けてく 出てく

ずっと待ち焦がれていた

馳せる呼吸なだめて

灼けるような信念に衝かれ

薫るすべを探し求めた

動きたい もっと疾く

一輪の期待を秘めたまま

枯れた記憶を拭い去るように

密かに消えてしまわないように

過ちを忘れて 宵闇を隠せば

幼くいられる けど

さだめに根をゆだねて かざした花は

飾るのでもなく

手向けるのでもなく

粉にして飲み干そう

雨を愛そう 雨を愛そう

躓く足跡を 流し巡らせていく

確かに渇望した夢を籠め育てた想い出を抱き寄せて

朝を愛そう 陽を愛そう

裂けるほど腕枝を伸ばし 暴れる影に刻め

大好きな響きを 大好きだと叫べる

その幸せで埋め尽くせ

嬉しいね 嬉しいはずだよ ねえ

摘み重ねた 言葉 邂逅 理屈 憔悴 感傷

すべて無かったことになる

いま結実のとき

変わらない風景の中で

わたしは何のために

わたしは何のために

からっぽな次の季節

途切れた願いに土をかぶせて

笑顔で迎えよう