Lyric

しぐれ降る　夕べの空に

君が残せし　言の葉ひとつ

うつせみの　夢にまどろみ

声なき恋は　風に消ゆ

「逢ひたし」と　胸に秘めしは

誰そ彼の　時雨のしるし

願ふこと　叶はぬままに

君を想ひて　時雨に濡る

あはれなる　この心根を

空も知るらむ　泣くがごとくに

しぐれしぐなる　くるしぐなる

こゑなきこゑの　しるしぐなる

ゆめのゆめなる　よるしぐなる

灯り消ゆ　路地裏の影

君が笑み　幻となりぬ

徒然に　筆を走らせ

綴るはただ　逢はぬ願ひ

涙雨　頬をつたひて

忘れじの　時雨のしるし

祈ること　届かぬままに

君を慕ひて　時雨に染む

あはれなる　この胸の内

月も隠れて　泣くがごとくに

しぐれしぐなる　うらしぐなる

とほきとほなる　ねがしぐなる

こゑのこゑなる　くもしぐなる

Signal in the drizzle, shimmer in the riddle

Whispers in the middle of a dream gone brittle

Shigure in my veins, ticking like a ritual

Echoes of a name — fading, indivisible

Crimson in the signal, silence in the spindle

Time unwinds slow, like a ghost in a kindle

Shigure in the mirror, memory residual

Calling through the static — sorrow, subliminal

蝉時雨　遠くに消えて

夏の記憶も　風にまぎる

君が名を　呼べば返らず

影のみぞ　答へくれし

「逢はむ世」　夢に託して

袖を濡らす　時雨のしるし

願ふこと　叶はぬままに

君を想ひて　時雨に舞ふ

あはれなる　この命さへ

君に捧げむ　泣くがごとくに

しぐれしぐなる　いのしぐなる

さだめさだなる　ほろしぐなる

ひかりひかなる　しるしぐなる

しぐれしぐなる　しるしぐなる

くるしぐなる　うらしぐなる

こゑなきこゑの　しるしぐなる

しぐれしぐなる　とほしぐなる

ゆめなるゆめの　よるしぐなる

しぐれしぐなる　いのちいのなる

しるしぐなる　ひかりひかなる

しるしぐなる