4月の空に

この曲をつくるきっかけとなった出来事は、2023年の年明け早々、
2人の祖父が1ヶ月の間に立て続けに亡くなったことです。

突然の2人の死に向き合わなければならなかった現実は、私の日々の記憶を消し去り、
大好きな音楽を拒絶する気持ちになるくらいの過酷なものでした。

時が経ち、春が訪れ、庭の植物たちが花を咲かせ始めた4月。
一緒に住んでいた祖父は、花を育てることが大好きで、いつも庭は花で溢れていました。
亡くなった後に聞いた話では、「若くして亡くした自分の母親のために」花を育てていたそうです。
だから、暑くても寒くても、雨や雪や大荒れの日でも、毎日大切にお世話をしていたんだと気付きました。

花に見向きもしなかった私も、今は祖父が遺した花を育てています。
でも、もっと花の事を教えてもらっていたら、母親への想いを聞かせてもらっていたら。
もっと知りたかった、話を聞いてあげたかったと後悔し、
最後に祖父に書いた私のメッセージは、「ごめんね」の文字で埋め尽くされていました。

もう1人の祖父は、そう遠くもない距離に住んでいましたが、
もっとたくさん会いに行ってあげれば良かった、と後悔しました。
数年前に祖母を亡くしてから、きっと毎日寂しかったことと思います。
最期も突然で、苦しそうに亡くなりました。
何を伝えたかったのか、自分はどうしてあげたらよかったのか、
目の前に立ち尽くすことしかできませんでした。

だから、「人と関わることの大切さ」に気付き、
今いる人を大切にする事、たくさんのことを共有し合って
相手と笑い合える人生、自分が成長できる人生にしようと誓いました。

この気づきに、"おじいちゃんからのギフトだね" と言ってくれる人もいました。

新年度が始まり、私の大好きな桜も咲き誇る2023年の春。
新しい気持ちになれる4月の空に、皆さんは何を誓いましたか？
この曲は、あなたが心に決めたその決意を応援します。