

始まりの宵など
どこにもない
気づけばとうに
越えていた
あなたのいない
今宵だけ
夜明けがひどく
遠かった
この宵が
明けてしまえば
向こうへ帰る
気がして
あと少し
あと少しだけ
同じ夜を
歩ければよかった
あなたの声だけ
よく響いた
思いながら
灯を訪ねた
恋などではない
夜道で出会った
旅の連れ
誰にでも
こんな宵を
分けるのだろうか
誰にでも
そんな眼差しを
見せるのだろう
始まりの宵など
どこにもない
これで最後と
告げるたび
夜を
終わらせたく
なくなった
あなたのいない
今宵だけ
夜明けがひどく
遠かった
共に描いた夜だけは
ありのままでいられた
ただあなたでない夜は
わずかに響きがちがった
いつか遠くへ行っても
時折この夜へ
帰ってきて笑って告げた
言葉は半ば願いだった
見知らぬ影が
あなたの隣に
立つだけで
祝いたい
私と
赦せぬ私がいた
なら
帰らないで
近づくほど帰れなくなる
何もかも
愛しくなれば
きっと
戻れなくなる
だから
七つ半にしておく
あと二・五
いらない
十
欲張り
それでも
十がいい
もう会わぬと
告げた夜
会えた日の顔を
思い出す
大嫌いと
言えるほど
深い夜まで
来てしまった
帰らないでと言う度
あなたを
困らせるのも
知っている
帰り道を
照らしたはずが
道を失くしたのは
私だった
ある宵
ようやく
知った
これを恋と
呼ぶのだろう
歌にしてから
知るなんて
夜にまで
笑われそうね
私はずっと
夜を描く
ふりをして
次の宵も
会える理由を
ひとつずつ
重ねていた
始まりの宵など
やはりわからぬ
想いを告げた
宵より
ずっと前に
境は
消えていた
七つ半で
留めたはずの
情は
残りの
二・五まで
いつしか
満ちていた
ねえ
もう少しだけ
もう少しでは
足りない
始まりの宵は
知らなぬままで
いい
夜が
明けようとも
この縁
ばかりは
どうか
ほどけぬままに
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TAKU_
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TAKU_
- プロデューサー
TAKU_
- ドラム
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TAKU_

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七つ半の宵
TAKU_
「始まりの宵などどこにもない」を核に、離れたくない気持ちを認めきれない二人のやり取りを描いた楽曲。「宵」「夜明け」「境」という言葉の反復と、七つ半から十へ満ちていく数字の比喩が、ためらいながら恋を認めていく距離を表している。



