Lyric

古びた雑貨屋に残された

ガラスに囲まれた雪だるま

雪の降る一人の世界で　今日も

あなたを待った

飴色に輝いた髪飾り

毎日やってくるその少女は

幸せそうに僕を眺め

そんな君に恋をした

眩しく笑う君に　出会って初めて

ここから出てみたいと思った

まだ僕の知らない　綺麗なものが

世界には溢れてると分かったから

君がその最初だったから

僕は君をずっと待っていた

世界は生まれ変わって

作り物の心に花が咲いた

感情が増えて　ただ嬉しくって

何もかもが綺麗に見えた

ああ今　あなたに恋をしている

その日は突然に訪れた

窓の外も雪が降る日だった

どれほど待っても彼女は

二度と現れなかった

それでも僕はずっとずっと

ここにいて

きっといつかまたって

出るはずのない涙堪えて

君に忘れられたって

認めてしまえば

もう生きている意味なんて

失くなってしまう

君をずっと待っている

世界は白く染まって

紛い物の雪が切なすぎて

また感情が増えて

分からなくなって

この痛みに名前をください

あれから10年が経って

ある親子が店のドアを開けた

僕は目を奪われた　あの髪飾り

そこには母になった君がいた

君は誰かと恋に落ちて

誰かと結ばれて

守るべき人に出会ったんだね

綺麗になったね　素敵になったね

その全てを伝えられないけど

僕は君をずっと待っていた

叶わない恋だと

分かっていたからもういいんだ

君が幸せで　笑顔で溢れて

いてくれれば　僕じゃなくても

ああそうか　僕は君を愛してる

古びた雑貨屋に残された

あの頃好きだったスノードーム

彼女は小さく笑って

嬉しそうに買って帰った