Lyric

ある絵描きにかわいがられていたカメレオン

絵の具の色に合わせて　忠実に体の色を変えていたんだ

寿命を迎えていたその日に描きかけていた作品に

変色したまま溶けて混ざり合っていった

そのまま絵に塗り込めて「カメレオン・パーティ」と名付けた

絵画の中に住みついたカメレオン　観る人の全て読み取って

変幻自在に　絵ごと色を変えていった

話題が話題を呼んで　天才アーティストとして

思うまま望むままに　世界股にかけたんだ

絵描きは促されるまま

「カメレオン・パーティ」と同じもの作ろうとしていた

アトリエで塗り込められたカメレオンがニヤリ

絵描きの姿を忠実に映し出す

顔も体も心の中までも

ありのままの色を見せつけたんだ

あなたはこの色　今夜はこの色

意識を飛ばした絵描きは　アトリエ飛び出し　川飛び込んで

己の色という色を全て洗い流さんとしてみたが

焼き付いたように　まぶたの奥が熱かった

雄叫びあげたら　体が勝手に走り出していた

アトリエに急いで戻って

取り憑かれたように自画像を描き始めた

嬉しそうに　カメレオンは少し体をくねらせて

またありのままを忠実に映し出す

絵描きはキャンパスにその色を落としていく

描いているうちに色はまた変わっていく

絵描きはそれも描いていく　カメレオンはまた色を変える

絵描きはそれも描いていく　カメレオンはまた色を変える