歌詞

これは昔々ある男が人を殺める物語

AJと呼ばれる年若の世間知らずな青年は

熱しやすく冷めやすい性格で

まだ何者にも染まらぬ中で

純粋さが仇となり

悪事と馴れ初める

AJの生まれは遠く東、冬の長い田舎町

嬉しくも悲しくもならない遊びばかりを繰り返し

やがて二十歳を超えた秋の日

口の上手い男に目を付けられた彼は

乗せられるがまま…壺を買ってしまった

「未来のため」「仲間のため」

男は美しい言葉を重ねる

「この壺は叶えてくれる…輝く将来を！」

たった1つ、1滴の毒が

遥か海を染めるように

本当の言葉に混ざる

1つだけの嘘にAJは魅せられた

夢見心地で美味しい話に

乗ったAJだったが気付いた

自分も誰かに壺を売らなければ

生きて行けぬことに

家族、親類、友人、恋人

片っ端から声をかけて回ったが

いつの間にか…

皆んな離れてしまった

誰も彼も　僕の話を

聞いてくれないだけじゃなく

蔑んだ目で見られて

幸せはどこへと？

あんなにも信じてた壺は

もはやただの無機質にしか見えず

AJは気付いた…騙された！

聖人気取りのあの男に根こそぎ奪われた

青春や信頼は取り戻せないから

到底許せるわけなどなく

それならいっそあいつを

殺しちまえ…ああ殺しちまえ！

やがて奴を殺し恨み晴らしたAJは不思議と帰り道

どうしようもなく抑えきれない昂りを覚えたさ

後に稀代の殺人鬼として名を知られることとなる彼が

「殺しの悦び」に気付くのは

次の殺害での話…