Lyric

廻り回る星月 香らぬ虚ろい

散るか零れるか 埋み 惑うまま

蘇芳の褥に 揺らぎ 落ち

唯そこに在るのは

幽かな声と 咽ぶ果てに遺した空

唇に椿 艶の葉の楔

二度と戻れないなら

朧ろの夢を彩り 濫るまで

廻り巡る宵闇 躍らぬ写し身

舞うか崩れるか 荒び 狂うまま

茜の帳に 揺らぎ 落ち

唯そこに在るのは

僅かな笑みと 呻る風に浮かべた花

唇に椿 艶の葉の楔

二度と戻れないなら

朧ろの夢を彩り 濫るまで

重ねた色目は鮮やかに 風に流れ

白んだ明けの空に濡れるのは 徒花

唯そこに在るのは

確かな悔いと 忍ぶ影に閉ざした性

朽ちてゆく椿

唇に椿 艶の葉の楔

二度と戻れないなら

朧ろの夢を彩り 芽吹く蕾 顧みて

朽ち果てた椿 綻びの禊

二度と戻らない花

朧ろの夢は色褪せ 濫るだけ