高鳴るのジャケット写真

歌詞

クラムボン

丸山永司

黒板に書いた

字が消えて

僕の中のやる気も消えた

見上げた空は雨上がりで

授業は始まったばかりで

時計を何度も確認して

さっきから全然進んでないね

もうほとんど無いような鉛筆で

僕はただ暇を潰す

ジャポニカ学習帳の

端の方にある僕だけの国

悪い魔王を伝説の勇者が

退治しに行く物語

(よし、ここでこうすれば、

勇者の勝利は絶対、間違いない)

キンコンカン

授業の終わりのチャイムが鳴る

中休みが少しあればボール持って駆け出す

泣いてたって怒ってたって

面白ければ吹き出す

すぐにまたチャイムが響いて

皆急いで教室へ

授業中ぽとりと床に落ちた消しゴム

特に何も考えずに手渡してあげる

ありがとうって君はお礼を言うついでに

少しだけ話をした

「クラムボンってなんだろう

もしかして泡かな」

「でもそんな事は僕たちには関係ないよね」

だけど僕は答えた

一緒になって考えた

どうして

まどろむ僕の

机が揺れて

遠い昔の夢から覚めた

次の時間は移動教室だ

見渡すともう誰もいなかった

とにかく急いで

荷物をまとめて

視聴覚室の横を過ぎてく

はぁ とついた息がゆらり揺れていて

渡り廊下を彩る

A4キャンパスノートに

刻まれた問題の答えの数字

蛍光ペンで幾つも引かれた

心の全く踊らない虹

「つまり、ここの数式は

XとY自乗してかけてそして…」

キンコンカン

授業の終わりのチャイムが鳴る

廊下側の端の席に

僕は一人たたずむ

皆よりも遅く立って

一人きりで歩き出す

西日がばっと瞼に届いて

別にただただそれだけ

その時肩が当たり飛んでいった単語帳

「ごめんちょっと急いでたから……はいこれ、落ちたよ」

僕は何も言えないまま単語帳を受け取り

その背中を見送る

暮れてく日を追いかけるみたいに

僕は階段を駆け上がった

屋上まで

屋上まで

そこからならその高さならば

飛べるような気がしたんだ

だけど屋上の鍵は閉まっていたんだ

やっぱそうか

授業中ぽとりと床に落ちた消しゴム

君のだって気づいたけれどどうしたらいいんだろう

結局僕はどうする事もできなくて

それで それで……

クラムボンは死んだよ

どうして死んじゃったんだろう

そんな事はいつまでたっても

分からないままだけど

僕もあの時

クラムボンと一緒に

殺して欲しかった

  • 作詞

    丸山永司

  • 作曲

    丸山永司

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アーティスト情報

  • 丸山永司

    神奈川県横浜市戸塚区出身。1992年7月19日生まれ。 ギター弾き語りで活動している。15歳からギターを始め、ひょんなことから2015年の秋頃に、人前で歌う事になる。2017年の3月に、自主制作弾き語りシングル【なる】をリリース。 好きなアーティストは、たま、パスカルズ、 BUMP OF CHICKEN。

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