短編唱 「少年」 (Live Band Performance)のジャケット写真

歌詞

シルヴィアカフェ

中山将

カフカの小説片手に、眉間をしわくちゃにして歩いている

少し不機嫌な君と向かう茶色い屋根が目印の喫茶店

髭を生やしたマスターが君に気づき話したよ

今日は良いマンデリンが入ったよ。

あら本当??って頬を緩めた、そんな

シルヴィア・カフェへようこそ。

追憶と安らぎがある場所。

セピア色の古い書物 窓際に咲いている花は ブーゲンビリア。

本を読む女子学生、うたた寝をしているサラリーマン

皆それぞれの場所で肩肘をついて未来を思う 永遠の午後

焼きたてのシナモンロール、ハーブ入りのクッキー

ボサノヴァのゆるふわなビート、そっと

香しいこのダージリン、まんまるまるのマカロン

そんな日々の束の間

人はみんなみんな小説家さ

想像すればどこへでも行けるさ

シルヴィア・カフェに来るとそんな哲学が浮かぶから

不思議なもんさ

マスターは夢の中 西の窓から射す夕焼け

「もうそろそろ帰りましょ。」優しく君が呟いた

「うん、帰ろ。」

  • 作詞者

    中山将

  • 作曲者

    中山将

  • レコーディングエンジニア

    小笠原達

  • ミキシングエンジニア

    小笠原達

  • ギター

    中山将

  • キーボード

    高本りな

  • ボーカル

    中山将

  • パーカッション

    尾田遼平

短編唱 「少年」 (Live Band Performance)のジャケット写真

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16才から曲を書き続けてきた中で大切にしているファクター「物語」「色彩」「詩情」「風景」
そんな中、ワンマンライブをする際に「短編唱」というアイデアが浮かびました。
遠藤周作、村上春樹、三島由紀夫、素晴らしい短編集のように、私の楽曲も「短編集」にできたら。いや、これは音楽だから「短編唱」だと考えたのです。そんなシンプルな発想から、このアルバムに記録されたワンマンライブ「短編唱『少年』」を企画し、作り上げました。
それぞれの楽曲が持つ「物語性」「色味」「詩情」「風景」を、音楽を通して表現する。そのために、ピアノ、バイオリン、ドラム、ベース、ギターという、信頼できる仲間たちを集めました。
音作りにおいて、私が各ミュージシャンに伝えたのは、「朝の憂鬱を抱える少年のように憂いを帯びたピアノ」「カーニバルではしゃぐ小さなおっさんのように躍動感のあるドラム」といった、非常に抽象的なイメージでした。しかし、今回協力してくれた仲間たちは、私の言葉の奥にある「音」を探し出してくれました。そんな仲間と一緒に音を、風景を、物語を作り上げるのは、本当に楽しい時間でした。
また、各楽曲の前に朗読するプロローグとなる詩。ポエトリーリーディングにも、深くこだわりました。自分の内から湧き上がる世界に対して、飾り気なく、正直な言葉で書き、声に出して伝えました。
西新宿にあるSACTというライブハウスで、「短編唱『少年』」は幕を開けました。そこで表現した世界が、聴いてくれた人の心の片隅に残り、現実を見つめる契機、または現実から逃れる場所になってくれたら。そんな思いで表現しました。
このアルバムは、そのライブで演奏した多くの物語の中から、特に心に残った13編を記録したものです。あるいは、このアルバム自体が「短編唱『少年』」という一つの大きな物語とも言えるかもしれません。
ぜひ目を閉じて聴いてみてください。小説のページをめくるように、一曲一曲に想像を委ねてみてください。
様々な世界を旅するような気持ちになってもらえると思います。

アーティスト情報

  • 中山将

    1988年岐阜県岐阜市生まれ、ピアノの講師をしていた母と、フォークソング好きの父を親に持ち、音楽と共に育つ。高校からアコースティックギターでの弾き語りと作詞作曲を本格的に始める。 大学では日本文学を学び「詩」へ精通していく。 現在は妻、息子二人と暮らしながら。じっくりと演奏活動を実施している。 1stアルバム「鈍行列車の窓から僕らはハレー彗星を見た」 、2nd「生きる風景」(広沢タダシプロデュース)、3rd「TINYRECORD」と3枚のアルバムをリリース。 柔らかな歌声、メロディメイカーとしての妙技、シニカルなアコースティックギターの音色、繊細なポエトリーリーディング。「詩」へのこだわりを持った音楽表現。 唯一無二のジャパニーズシンガーソングライター。

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