

ランドセルの 肩ひもきつく
「月に替わって お仕置きよ」
鏡の前で 決めポーズしてた
あの頃の私は 本気だったな
ティアラの きらめきを信じて
悪を許さない 心に酔って
いつか月が 味方してくれる
そう思って 眠っていた
変身ベルトを 腰に巻いて
ショッカーを やっつけた気でいた
テレビの前で 拳を握って
正義の意味も 知らないまま
敵が現れる 合図があって
必ず勝てる 物語があって
大人になれば 強くなれると
疑わず 走っていた
いつのまに 忘れてたんだろう
なりたかった 自分のこと
夢じゃなくなった わけじゃなくて
夢だったことさえ 忘れてた
試練は ショッカーじゃないから
どこから来るのか わからない
顔のない 日々の中で
こぼれそうな 今を抱いて
それでも 生きているんだ
小さく 呟いてみる
月に替われなくても
変身 できなくても
履歴書に 書ける夢だけを
いつからか 選ぶようになって
「将来の夢」を 訊かれる側から
訊く側に 回ってしまった
正義の味方は いなかったし
悪いやつにも 事情があって
滲んだ世界の どこにいても
月は 変わらず昇っていた
ショッカーみたいにわかりやすい敵は
大人の 街にはいなくて
笑顔の裏に 刃があったり
正しいはずが 誰かを傷つけたり
変身しても 何も変わらない
ベルトは もう見つからない
それでも空を 見上げる癖は
子供のまま 残っていた
いつのまに 諦めてたんだろう
信じていた 自分のこと
それでも ここに立っている
それだけで たぶん充分
試練は ショッカーじゃないから
名前もつけて もらえない
顔のない 痛みの中で
それでも 息をしている
変身できなくても いいんだ
等身大で 歩いていく
君が 僕の月になって
僕が 君のベルトになる
「月に替わって」って
どういう意味だったんだろうね
子供の頃は 疑わなかった
合言葉の 意味を
ショッカーみたいに
わかりやすい敵は 来ないけど
ふと笑える 夜があること
隣に 君がいること
それが たぶん勝ちなんだ
それが たぶん価値なんだ
試練は 顔を持たないけど
僕らは 名前を呼び合える
不完全な 変身のまま
今日も 始まっていく
あの頃 夢みた姿じゃない
けれど これは 僕らの姿
月に替われなくても
誰かの 夜を照らせたら
月に替わって
変身
それでも 今を生きてる
それでも 今を生きてる
一緒に 今を生きてる
- 作詞者
Votake.
- 作曲者
Votake.
- プロデューサー
Votake.
- ボーカル
Votake.
- ソングライター
Votake.

Votake. の“月とベルト”を
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月とベルト
Votake.
Votake. 12番目の新曲「月とベルト」
本作は、Votake.世界線に登場する二人の主人公が、
初めて同じ楽曲で歌い交わすデュエット曲です。
セーラームーンに憧れた女性と、仮面ライダーに憧れた男性——
大人になってからの静かな出会いを、男女ウィスパーで描きました。
Rhodesピアノとブラシドラムが支える82 BPMの静けさの中、
男女の独白が並走し、ブリッジで交わり、
ラストサビでは「月に替われなくても、誰かの夜を照らせたら」
という静かな肯定へと収束します。
沈黙と囁きの呼吸で紡がれた本作は、
30代〜40代の「なりたかった自分になれなかった」リスナーに
そっと寄り添う一曲です。



