kawaiine, Nico-chan Front Cover

Lyric

kawaiine, Nico-chan

Neji Mizuno

死のうと思って家を出たのに猫を買って帰ってきた

そんな自分が情けなかったし なぐさめで買われちゃったこの子は幸せになれるのかな

痛みでいっぱいになった体と 傷に寄りかかったままの心

生きるためだけに生きる猫のように 正直に生きたことがあったかな

夜が来るとざわついた頭の中がうるさくなってゆく

部屋の隅っこで猫がなんにも知らず眠った こんなところに来ちゃって可哀想な子

灯りを消しても 耳を塞いでも ただ泣きながら朝が来るまで震えていたのに

この子といる時だけは静かだな

猫のごはんを買いに外に出た時 桜が眩しくてうんざりした

始まりの季節が嫌い 浮かれた空気になぶられて

だからこうなるのだって当然なんだ

おびただしい数の足が次々と私を追い抜いてゆく

今日こそはと思ったのに おろした靴に汚い染みがついた

街に出ると押し込んだ絶望の影が首をもたげてゆく

ゴミ箱みたいな世界の隅っこで怯えて それでもうごめく人ゴミの中を進んで

何度も肩をぶつけて買い物袋を落とした でも濁流に蹴飛ばされた猫のちゅーるを見て

ちゃんと ちゃんと帰らなきゃって思うから

ちゃんと ちゃんと生きていかなきゃと思うから

死のうと思って生きてきたのに 長生きしてほしいな

3年ローンで買われちゃったこの子を抱いて

確かに命のぬくもりを感じていた

かわいいね、ニコちゃん

  • Lyricist

    Neji Mizuno

  • Composer

    Neji Mizuno

kawaiine, Nico-chan Front Cover

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    kawaiine, Nico-chan

    Neji Mizuno

新進気鋭のシンガーソングライター水野ねじの配信シングル。弾き語り一発録音、息遣いやフィンガーノイズが生々しく残る弾き語りの醍醐味をダイレクトに感じる事のできる作品。イントロやアウトロ、間奏までもが排除された純度の高い歌。

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kawaiine,Nico-chan

Apple Music • Folk Top Songs • Japan • TOP 44 • 22 Nov 2021

Artist Profile

  • Neji Mizuno

    水野ねじ シンガーソングライター 埼玉県加須市出身 単語一つ一つまで練られた短編小説のような歌詞をキャッチーなメロディに乗せ歌う弾き語り。 現代フォーク、J-ROCK、歌謡曲の垣根を超えた新しいポップスの“歌” 水野寝地名義で『会いたかった沼袋』『ライブ盤 ピンサロ』『喝采』を発表。 2018年 カミイショータ、中川昌利、山本拓磨らと「勉強」を開催。定期イベントとして継続中。 全国流通アルバム『songwriter』リリース。 東高円寺UFO CLUBにて、曽我部恵一、永原真夏+SUPER GOOD BANDを招きレコ発「singer」を開催。 2019年 豊田道倫との共同企画「夜の浜辺で、リズムギター」を開催。ゲスト見汐麻衣。 2020年 コロナ禍においてバイノーラル録音弾き語り音源「room music」をリリース。 2021年 配信シングル「かわいいね、ニコちゃん」をリリース。 バンド「水野ねじ&BEIJING DUCKS」としても活動中。

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