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本作は、日本の伝統的な宮廷音楽「雅楽」と、ポストロック、シネマティック・ダークアンビエントが深淵で出会う、壮大な音響詩です。冒頭、静寂を切り裂く梵鐘の残響と篳篥の孤独な調べが、聴く者を「都市の廃墟」という名の聖堂へと誘います。
88 BPMという緩やかな歩みの中で、不規則な5/4拍子が絶え間ない緊張感を生み出し、クリーンな琴のアルペジオが、背後で渦巻くノイジーなギターの壁と鮮やかな対比を成します。歌詞は、ハイデッガーの「崩壊の中にこそ本質が現れる」という廃墟の概念や、レヴィナスの「他者の痕跡」といった哲学的な思索を軸に、記憶と忘却の狭間を彷徨います。
特筆すべきは、パーカッションに埋め込まれた「呼吸」のリズムです。和太鼓の鼓動と電子ドローンが重なり合い、1000年前の縄文の土壌から現代の放置されたコンビニエンスストアまで、時空を超えて響く「廃墟の吐息」を再現しています。無垢で荒々しい男性バリトンのヴォーカルが、静寂から轟音へと至る圧倒的なクレッシェンドを導き、最後には再び絶対的な静寂へと還っていく。わびさびの精神を現代の解体美へと昇華させた、ポストロックの新たな地平を切り拓く一曲です。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。