

途中下車
波の音
途絶えぬ宿を求め
酒を飲む
幾つかの
煩わしさを
忘れられず
目がさえる
おれはこれから先も流されていく
人知れないどこかの町へ
宛所もない
彷徨い人
仮初めの
仕事を求め探していた
甘かった
常しえの
居場所があるやつはいいね
幸せだ
昨夜
寝た女のことを考える
なぜああも簡単に許せるんだろう
答えはない
止めどもない
彷徨い人
あゝ冷たい風切り刻む
あゝ置き去りにした抜け殻
乗り遅れてしまった
拾い損ねてしまった
こんなにもう遠くへ来ていた
ガキの頃
こんな場所を想像していたもの
寝る前に
そして今
同じように魘されるおれがいる
眠れずに
おれは
ザ・バンドのうたを唸り続けて
ピアニストの魂を葬り去った
季節は冬
凍えている
彷徨い人
あゝガラクタになった身体を
あゝ未練がましく引きずる
行っちまった魂は
どこへ運ばれるんだろう
こんなにもう離れてしまった
乗り遅れてしまった
戻ることもないはずの
あなたが今
ここにいた気がした
Music in the Air, I hear it everywhere
Music in the Air, I hear it everywhere
Music in the Air
I hear it everywhere
- 作詞者
岩下啓亮 Sardine
- 作曲者
岩下啓亮 Sardine
- プロデューサー
岩下啓亮 Sardine
- レコーディングエンジニア
岩下啓亮 Sardine
- グラフィックデザイン
岩下啓亮 Sardine
- キーボード
岩下啓亮 Sardine
- シンセサイザー
岩下啓亮 Sardine
- ボーカル
岩下啓亮 Sardine

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ストリーミング / ダウンロード
- 1
Baby Understand
岩下啓亮 Sardine
- 2
思い出は甘くない
岩下啓亮 Sardine
- 3
かくも長き不在
岩下啓亮 Sardine
- 4
Girl Hunt '84 in the city, on the beach
岩下啓亮 Sardine
- 5
こわさないで
岩下啓亮 Sardine
- 6
こんなたくさんのラブソング
岩下啓亮 Sardine
- 7
アンソニーにくちづけ
岩下啓亮 Sardine
- 8
ハンマークラーヴィア
岩下啓亮 Sardine
- 9
マイ ガールフレンド
岩下啓亮 Sardine
- 10
長い日曜日
岩下啓亮 Sardine
- ⚫︎
Music in the Air
岩下啓亮 Sardine
カセットガジェットシリーズ第3弾は、1985年の東京6曲と1987年の熊本5曲の、2時期の音源を収録した。
その間の1986年のアルバムは名盤(だと自分だけ思っている)「Everything/Nothing」に収録している。
1985年は精神的にも技術的にも限界を迎え、1987年は宅録という概念自体に疑問を感じていた時期である。だからこの2年間の作品はあまり好きではないし、まとまりに欠ける作品集ではあるものの、個別に見れば各曲それぞれに魅力がある。最低のときでもイワシの音楽はいつだってポップだ。偏見なく聴いてほしい。
追記。今の私は喫煙者ではない。
アーティスト情報
岩下啓亮 Sardine
鰯こと岩下啓亮 Sardineです。 1983年から2003年までの20年間で、ひとり多重録音した楽曲が約200曲あります。これらを8枚のアルバムにまとめて2024年に順次アルバムをリリースしました。2025年はアンソロジーの代わりに、年代順に編集したアルバムを発表します。 その音楽は、多種多様です。親しみやすいポップスもあれば、社会的視点をそなえたメッセージソングもあります。プログレッシブな構築性もあれば、パンク的な破壊志向の側面もあります。手ごわいピアニストで、マッドなシンセサイザー弾きで、たどたどしいギタリストで、音の読めるベーシストで、緩いリズムのパーカッショニストで、ひとり多重コーラスを駆使する、不器用なシンガーソングライターです。それらすべてのパートが、一つの人格に統合されているのです。 ロマンチックと薄情と情熱の混淆、とりとめもない不安と届かぬものへの憧憬を描いた、オールディーズだけどもエヴァーグリーン。表情豊かな鰯の音楽を、ぜひお聞きください。
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