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2002年にCD-Rという形でひっそりとリリースされた『A Worm』は、EeLの原点に近い質感をそのまま封じ込めた作品。後の作品群に通じる要素を持ちながらも、この時点ではまだ粗く、未整理で、だからこそ強く個性が立ち上がっている。
録音や構成には明確なDIY感があり、インディーならではの自由さと手作りの温度がそのまま音になっている。整いきっていないバランスや、どこか少しズレた感覚が、逆にリアルな「素のEeL」を感じさせる。
収録曲「Santa Claus in the Rain」は、ジョン・フルシアンテの初期作品を思わせるような、ローファイで内省的な響きを持つ。一方で「A Worm」は、後にアルバム『Little Prince』に収録される同名曲の初期バージョンであり、そのプロトタイプ的な魅力が際立つ 。
全体としては、素朴で、どこか少し奇妙で、しかし強く印象に残るサウンド。洗練とは対極にあるこの質感こそが、『A Worm』という作品の本質になっている。
EeLは、エレクトロニックサウンドを軸に、ポップでキュート、時にアグレッシブな表情を併せ持つ女性アーティスト。 デジタルな質感と親しみやすいメロディ、独特の浮遊感を持つヴォーカルで、クラブミュージックからゲーム音楽シーンまで横断的に活動してきた。 これまでに、capsule「プラスチックガール」へのゲストボーカル参加をはじめ、 コナミの音楽ゲームシリーズ『ポップンミュージック』収録曲「777」にてヴォーカルを担当。 ポップとエレクトロニカ、ゲームカルチャーを結びつける存在として注目を集めている。 また、ブレイクコアの攻撃的なビートと、キュートで無邪気な感性を融合させた楽曲 「Little Prince」は、日本国内のみならず海外のリスナーからも高い評価を獲得。 ジャンルの枠にとらわれない自由な音楽性と、唯一無二のキャラクター性を確立した。 懐かしさと未来感が同居するサウンド、可愛らしさの中に毒とスピード感を忍ばせた表現は、 EeLならではの魅力として、多くのリスナーを惹きつけ続けている。