かなた桜のジャケット写真

歌詞

かなた桜

Harurun

うねる枝は

夕暮れの淵まで垂れて

まだ春になりきれぬ風を

ひそやかに抱いている

ひとつだけ

そこに在る花は

誰を待つでもなく

誰かを見送ったまま

雪の名残のように

白くまとわる花びら

触れれば消え入りそうで

幾春の闇を見つめてきた

彼ノ桜

たゆたい揺れて

此処と彼処のあわいに

かそけき糸を差しのべる

冷える石畳

苔むした時の匂い

暮れきる前の空ばかり

この世を少し離れてゆく

名を呼べば

すべて散り失せそうで

見上げるだけの春が

胸の奥へ降りつもる

彼ノ桜

眠らずに咲いて

遠き面影のそばで

季節の裂け目を縫ってゆく

あれを見よ

つい今しがた

ようやく翅をひろげ

蛹の夢から目醒めた

けれど光は赦しではなく

儚きいのちへ手向ける灯

春はかくも爛漫で

春はかくも薄情だ

あの翅の震えは喜びにあらず

消えゆくもののみが持つ

かすかな熱だ

千夜を越えて

なおうつろわず

千年の夢のほとりで

彼方へ宵を曳く

彼ノ桜

夜の手前に咲いて

言えなかった別れまで

そっとたもとに忍ばす

  • 作詞者

    Harurun

  • 作曲者

    Harurun

  • プロデューサー

    Harurun

  • ソングライター

    Harurun

  • プログラミング

    Harurun

かなた桜のジャケット写真

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    かなた桜

    Harurun

『かなた桜』は、咲き誇る枝垂れ桜を舞台に、春の残酷な美しさを描いた和風エレクトロニカです。
ノスタルジックな和楽器の調べと軽やかな電子音、そこに可憐なボーカルが交差することで、仄暗い詞の世界との間に心地よいアンバランスさを生み出します。
夜ふけに一人でぼーっとしたい時や、少しチルな気分に浸りたいときに。水面を埋め尽くす花びらの川で、たゆたう小舟のように身を任せてみてください。

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