Lyric

三千世界にも夜はひとつ

切り裂く木枯鳴く雷鳴

流転の果てを彷徨う

刻々と迫り来る夜は怖いね

ひらりひらり舞う塵と芥を

捏ねくりまわして作った羽は

自重にすら勝てずガラクタになった

響くサイレン

銭と愛染

詩を吐いて

風が攫う

咲いては散りゆく運命だと

吐き捨てたあの貴婦人は曇天の切れ間を睨んだ amplifier

この大気さえ震わせて

森羅万象を余すことなく享受するため

尖れ感覚

燦然と輝く夜をなぞる

月明り吞み干した亡霊

薄明を浴びる黒艶の羽

死神と手を繋ぐ猩猩

きらりきらり眩く光放つ

星の屑ひとつ握りつぶしたら

風に放つ

愛していないんじゃないかと

がらんどうの自問自答が虚しく空を裂いた

哭いては死にゆく運命だと

わかってるから黙ってくれ

咲いてしまった散りゆくだけの花

このまま朽ちてくくらいならと

命を燃やす

哭いては死にゆく運命でも

今生にひとつ意味を残すため

わたしを燃やす

愛してなんていないなんて嘘だよ

月夜に照らされた亡霊も

死神の隣笑う猩猩も

森羅万象を余すことなく震わせてくれよ amplifier